今回は2020年11月12日(木)の両学長(リベラルアーツ大学)の動画を3分わかるように解説します
テーマは、「中小企業の社長のお金の話」です
「動画を見る時間がないけどポイントは知りたい」
「動画を見た後のおさらい」
などのお役に立てば幸いです
目次
テーマ ~実はみんなが知らない「中小企業の社長のお金の話」~
視聴者からの質問&両学長の回答
両学長の動画を見てから、日々「社長になりたい」という気持ちが強くなっています
しかし、メディアなどで大企業の社長の話を見ていても、庶民には現実感のない話ばかりで参考になりません
もっと小さな会社の「社長のお金の話」が知りたいです
実際に中小企業を経営している立場から
① 年収の話
② 交際費の話
③ 住宅や車、保険の話
について解説します
解説
● 中小企業の役員は、平均年収が605万円(資本金2,000万円のケース)
● 日本の中小企業の約7割は赤字
というデータもありますが、結論としては「社長の懐事情(ふところじじょう)」というのは世間の統計調査だけではわかりません
ということで、実際に中小企業を経営している経験を基に「お金がなさそうに見えて、実はお金を持っている社長の秘密」を解説していきます
① 年収の話
会社役員の年収は
① 資本金2,000万円未満:605万円
② 資本金2,000万円~5,000万円:805万円
③ 資本金5,000万円~1億円:1,093万円
④ 資本金1億円~10億円:1,392万円
⑤ 資本金10億円以上:1,561万円
※ 男女の区別なし
【出典:民間給与実態調査 平成30年(国税庁)】
という結果が出ています
両学長のリベラルアーツ大学(リベ大)では「マイクロ法人を作って豊かになろう」という情報発信をしているので、今回は「① 資本金2,000万円未満:605万円」に着目します
平均年収の内訳
資本金2,000万円未満の企業の役員のうち約127万人が男性ですが、彼らのうち年収が1,200万円を超えているのは「約23万人(約5人に1人)」です
一方、全体を見れば約60%の人が「年収600万円未満」です(300万円~600万円がボリュームゾーン)
これだけを見ると
「リスクをとって独立したのに、夢がないな・・・」
と思うかもしれませんが、これだけを理由に「中小企業の社長の年収は大したことない」と考えるのは早計です
年収の決め方
世の中の賢い社長は「税金と社会保険料が一番少なくなるような年収にしよう」と考えています
たとえば事業で700万円の利益が出たとします
このとき社長の給料をゼロにすると、利益はそのまま会社に残りますが、その利益は「株主」のものとなります
そして、日本の中小企業のほとんどは「社長(または家族)=株主」なので、結果的に利益は自分たちのものとなります
結果的に
自分の給料を700万円(会社の利益をゼロ)
自分の給料をゼロ(会社の利益を700万円)
このどちらも実質的には同じ話となります
そして次に考えるのが「税金・社会保険料」の話です
税金というのは「利益(厳密には所得)」に対して課税されますが、「個人」と「法人」では税率が大きく異なるため、どちらの利益を多くするかによって税金の額が大きく変わります
例えば、個人で年収が5,000万円だと税金(所得税)で約半分を取られますが、法人で5,000万円の利益があった場合は、取られる税金は全部で30%程度です
また、社会保険料も収入が増えれば増えるほど負担額が多くなります
つまり中小企業の多くの社長は、節税対策などのためにあえて給料を少なく設定したりしているため、冒頭の統計調査からでは本当の年収が見えてきません
もし「中小企業の社長の年収っていくらなんだろう?」ということが気になるのでしたら、株主であるオーナー社長にとっては
自分の役員報酬だけではなく
会社の利益も自分のもの
ということを認識しておいてください
② 交際費の話
仕事に関係する相手との接待に関する費用のことで、一定額を「経費」として認められています
中小企業の場合、年間800万円が「交際費」として経費にすることが認められています
「経費」とは言いつつも、オーナー社長にとっては飲食などで使うお金なので、実質は「年収」の一部と同じようなものです
当然、これは「民間給与実態調査での平均年収(605万円)」には含まれていない金額なので、「平均年収」では見えてこない部分ということです
③ 住宅や車、保険の話
法人名義で住宅を借りて、「役員住宅」として社長に貸すことができます
すると、家賃は「会社の経費」ということになりますが、オーナー社長にとっては、実質的には「年収と同じようなもの」と言えます
当然ですが、これも「平均年収(605万円)」には含まれていないため、会社が負担している家賃も含めれば、実際の年収はもっと多いということになります
さらに、「車」と「保険」も同様の話となりますので、「社用車としてレクサスを買う」「相続税対策の生命保険を法人で契約する」といったことも、合法的な範囲で法人の経費にすることができます
「法人」と「個人」のお財布は、法律的には「別物」ですが、オーナ企業の場合は、実態的には車も保険も社長の資産です
おわりに
よく聞く話では
「日本の企業の約7割は赤字」
といったデータを引き合いに出し、「独立なんてリスクが高すぎる! 絶対にうまくいかない(もうからない)」と言っている人がいますが、これは半分正しくて、半分は間違っています
「ビジネスは簡単じゃない」という意味では合っていますが、「赤字だから損している」というのは間違っています
日本の中小企業の多くは「社長=株主」なので、今回紹介したような合法的な方法で節税対策などをしており、結果的に見た目の年収よりも使える金額はもっと多いです
資本主義社会においては、「富の源泉」は株式会社ですので
自分が社長
自分が株主
というのは、「お金が1番集まる最強のポジション」です
「社長」になることは難しいことではなく誰にでもできることなので、ぜひチャレンジしてみてください
それではまた