公務員の話

大阪府・市職員による多人数会食の問題はなぜ起きたのか?【元地方公務員が考察】

どうも もぐすけです

2021年3月1日から「4人以下でのマスク会食」を呼び掛けていた大阪府・市で、なんと2,300人以上の職員が要請を守らずに5人以上の会食(飲み会)をしていたことが発覚しました。

大阪府と大阪市は27日、府民に対して求めた会食時の自粛内容に反して、「5人以上」または「午後9時以降」に職員同士で行った会食に関する調査結果をそれぞれ公表した。府市合わせて3月1日以降、558件の会食が開かれ、参加者は教職員も含めて総勢2356人に上った。府市は「お願いする側が守らず、おわびしたい」などと陳謝し、対象職員には処分も含めて厳正に対処する方針。

市は、職員同士の会食で新型コロナウイルスの感染が相次いだため教職員を含む全職員約3万5000人に調査を進めていた。

 市によると、一般職員による会食は3月1日から4月4日に251件あり、局長級4人も含め1164人が参加した。送別会が多く、中には25人が参加した飲み会や、1人で5件の会食に出席したケースがあった。部局別では水道局(160人)や消防局(154人)が多かった。教職員は97件で校長3人を含めて447人が参加していた。

一方、府は教職員含めて約2万4000人を調査。3月1日から4月6日までに、部長級1人や次長級4人を含め一般職員による会食が72件あり、332人が出席。このうち5人以上は65件、午後9時を過ぎて続けていたのは14件だった。府立学校では校長3人を含む413人が138件の会食を開いていた。

 吉村洋文知事は記者団に「府が決めたルールを無視して行動するのは職員としては許されない。ペナルティーを考えたい」と述べた。

【出典:毎日新聞(2021年4月27日付け)】

以前の厚労省官僚による会食問題が発覚した直後にこれですから、きっと全国民が呆れ果てたのではないでしょうか。

府民に協力を呼び掛ける立場の職員がこんなことをするというのは、正常な感覚をお持ちのあなたには到底理解できないことだと思いますが、これには役所(公務員)の古い古い体質などが関係していると思います。

そこで今回は、なぜこのようなことが起きたのかを、元地方公務員の観点から考察していきます。

理由① 親睦会費の完全消化

多くの役所では、部署(「部」や「課」)の単位で「親睦会」というものがあり、管理職を含めた職員がそれに加入し、毎月一定額の懇親会費を集めています。

親睦会への加入は任意ですが、多くの職場では半強制的に加入させられ、職場のお茶代や歓送迎会、忘年会の会費などに使われています。

そしてこの会費は、可能な限り年度内に全て使い切り、翌年度には繰り越さないようにするという暗黙のルールを決めている職場が多いです。

【年度内に使い切る理由の例】

公務員は異動が多い職場のため、もし予算を繰り越してしまうと、異動していった職員が払った分を翌年度の職員に使うということになる。

そのため、異動していった職員が不利益を受けないよう、予算を年度内に全て使い切る必要がある。

 

と考えるパターンが多いです。

予算の使い道は年度が始まる前に計画されていることがほとんどのため、「実行できなかった忘年会などの予算も含めて強引に使い切りたかった」、という理由が多かったのではと思います。

私も親睦会の会計担当を何度もやらされましたが、必ず管理職から「予算は絶対に使い切るように!」と命令されていました。

といっても、世の中がこうなるのは昨年の4月から予測できたことですから、事業計画を変更して親睦会費を減額するとか、余った分は職員へ返金したりもできたと思うので、もし予算を使い切るのが理由だったとしたら、管理職がバカだったということですね。

理由② 上司からの圧力と部下の忖度

これは私が勤務してきた5つの職場や他の職場を見ての見解ですが、地方公務員として働く主に50代の管理職員の多くは、とにかく飲み会が好きな人が多いです。

もちろん全員というわけではありませんでしたが、特に歓送迎会や忘年会、新年会などの行事にこだわる管理職員がほとんどでした。

彼らがヒラ社員として働いていた昭和~平成初期の時代は、上司と部下のコミュニケーションを図る手段として歓送迎会などの行事は特に重要なイベントだったそうです。

そのような価値観を令和となった現代でも、そしてコロナ禍で人々が飲み会を自粛している時であっても部下に押し付けてくる管理職がいます。

そして、公務員の職場は体育会系のように上下関係が厳しい職場が多いため、上司からの命令は絶対のような雰囲気ができあがっており、結果、部下も忖度して企画や参加をしてしまったのではないでしょうか。

こんな時に飲みたがる上司も悪いが、忖度する部下も悪い

と思われたでしょうが、そのとおりです。

ですが、たかが送別会を企画しなかったり参加しなかっただけでも、それを根に持った上司が仕事や人事で報復するということがあるのです。

特に人事権を持っている管理職に睨まれてしまうと、その後の異動先に影響が出るので非常に面倒です。

そんなしがらみが多くあるのが公務員の世界です。

大阪府や大阪市で働いたことはありませんが、どこの公務員でも似たようなものだと思いますよ。

理由③ 他の職場でもやっているから

「公務員」という職種の影響なのか、それとも日本人の性質が強く出るせいなのか、公務員の多くは周りに合わせようとしたり、自分だけが他人と違う行動をするのを嫌う職員が多いです。

今回の問題にしても、管理職が

他の多くの職場でやっていることだから、自分たちもやって大丈夫

という心理となり、部下を巻き込んでしまったのではないでしょうか。

巻き込まれた部下にしても、周りが参加するのに自分だけ欠席したら目立ってしまうと思い、悪いと思いながらも渋々参加した職員が多かったのではと思います。

周りに合わせるのがダメだとは言いませんが、たまに発覚する公務員の規模の大きな不祥事は、このような感じで広がっていくことがほとんどです。

たとえ知事や市長のようなトップからの呼びかけであっても、末端の職場までは届かないものなんですよね…

さいごに

今回の考察は私の公務員時代の経験が基になっていますので、もしかしたら府民性なども関係しているのかもしれません。

それにしても、3月から感染拡大が深刻化していた大阪でこのようなことがあったのですから、本当に呆れてしまいました。

地域性は違っていても公務員の性質は基本的に同じはずなので、他の都道府県でも目立たない程度で同じようなことがあったかもしれませんね。

ではまた

ABOUT ME
もぐすけ
元地方公務員&投資診断士の脱サラ中年 「もぐすけ」です。 誰もが思いそうな素朴な疑問 (略して「そぼぎ」) について情報発信しています。

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