公務員の話

【経緯まとめ】「金融機関への働きかけ」「酒販業者への取引停止依頼」ー西村大臣による発言~撤回までを時系列で整理ー

2021年7月8日夜に開かれた西村経済再生相の記者会見に端を発した「金融機関への働きかけ」「酒販事業者への取引停止依頼」の発言問題ですが、国民や与野党からの猛烈な批判により撤回されました

この記事では、西村大臣の発言から撤回に至るまでの経緯についてを、数多くのニュース記事やSNSなどを参考に時系列で詳しく整理していきます

2021年7月8日

西村経済再生相、尾身会長の記者会見

【THE PAGEより】

事の発端は、4度目となる東京都への緊急事態宣言発令決定を受け、8日夜に開かれた西村経済再生担当大臣と尾身会長による記者会見でした

会見中、酒の提供停止要請に応じない飲食店への対策として西村大臣から

「要請に応じない店舗の情報を金融機関へ提供し、取引先店舗へ遵守等の働きかけを依頼する」

「酒類販売事業者に対して、要請に応じない飲食店との取引を停止するよう依頼する」

という内容が発表されました

【説明に使用されたスライド】

【記者からの質問】

金融機関へは資金面で店に圧力をかけさせるのが狙いか?

金融機関と飲食店は日常的に様々なやり取りをしていると思うので、酒の提供停止は法律にもとづく要請・命令であることから、金融機関からも要請に応じない店舗へ遵守を働きかけてもらいたいと考えている

会見終了後、SNSを中心に「非常識だ!」「金融機関の(独占禁止法における)優越的地位の濫用にあたる」などの激しい批判が起きました

国から酒販業者へ依頼文を発送

記者会見とタイミングを同じくして「内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室」と「国税庁酒税課」の連名により、酒販業の関係団体あてに次の依頼文が発送されました

この文書についてはこちらの記事で解説していますので、あわせてご覧ください

【元地方公務員が解説】「要請応じない店と酒の取引停止」 政府が出した文書に従う必要はあるのか?令和3年7月8日に「内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室」と「国税庁酒税課」の連名で「酒類業中央団体連絡協議会各組合」あてに以下の文書が送付されました。そこで「一体どう対応すればよいか?」という疑問について、17年間の地方公務員の経験をもとに解説していきます。...

2021年7月9日

菅首相の記者会見(ぶら下がり)

【会見内容の要約】

・(会見時点で)7月8日の西村大臣の発言は承知していない

・西村大臣が、金融機関へ独占禁止法に抵触するような「優越的地位の濫用」を求める趣旨の発言は絶対にしないと思っている

【会見内容詳細】

朝日新聞:きのうの西村大臣の会見についてお伺いします。西村大臣が、酒の提供を続ける飲食店に対し、取引先の金融機関からも働きかけを要請することを示しました。これの法的根拠はあるのでしょうか。

菅首相:私、西村大臣がどういう発言をされたか承知しておりませんが、いずれにしろ、飲食の皆さんに今回も大変御迷惑をおかけするものでありますから、政府とすれば、従来のように、支援金については先払いも辞さないような形でお願いすることを決めているところであります。

朝日新聞:この発言について、後々総理も確認されると思うんですけれども、こういう発言が事実だった場合に、(金融機関の)優先的地位の濫用に繋がらないとお考えでしょうか。

菅首相:仮定のことについて、私、答えることを控えますけれども、西村大臣というのは、そうした趣旨での発言は絶対にしないと私は思っています

【出典:首相官邸HP

 

西村大臣の記者会見

【会見内容の要約】

・今回の働きかけの趣旨としては、要請に応じている店と応じない店との不公平感を解消したいのが目的

・協力金が届くのが遅いので要請に応じられない声も多数聞いているので、協力金の先払いの仕組みも作った

・金融機関は事業者との接点が多いので、日常コミュニケーションの一環として要請に応じない店に働きかけをしていただきたいという趣旨

・金融機関から要請に応じない飲食店に対して融資の制限を求めるという趣旨ではない

・協力金を可能な限り早く渡すようにするので、何とか要請に応じていただき、感染を抑えていきたいというのが西村大臣としての思い

【会見内容詳細】

時事通信:金融機関を通じた飲食店への注意喚起の対策ということですけれども、昨日、文書で出していきたいという趣旨のことも仰ったかと思いますが、あらためてどういった形のものをお考えになっているのかということと、総理がこの件について承知されていないというふうにぶら下がり会見では仰っているんですけれども、政府内での検討状況はどのようになっているのか、お願いします。

 

西村大臣:まず、このコロナに対してどうやって感染を抑えていくか、世界全体で取り組んでいく必要があるというふうに認識をしております。

多くの皆さんに協力をいただいて抑えていかなきゃいけない、そうしたなかで飲食店の皆さんには本当に厳しいお願いを継続してやっていくことになりますので、本当にご負担をおかけして申し訳ない思いでありますけれども、多くのお店が協力をいただいております。

支援金が、協力金がですね、協力金が届くのが、支給が遅いという理由でやむを得ず開く、こうした声もですね、報道でもありますし、(声が)届けられていますので、やはり迅速に協力金を届けることが大事だということで先払いの仕組みを今回導入することにいたしました。

要請に応じて本当に取り組んでいただいている皆さんにしっかりと支援が迅速にいくように対応していきたいと思います。そしてさらに、命令等に応じて、要請・命令に応じていただけないお店もいくつかあるというなかで、やはり、不公平感の解消も必要だというふうに思っております

いろんな形で、これ、東京都なども丁寧に文書で要請をし、お願いをしているところでありますので、遵守を、引き続き働きかけをしていきたいというふうに考えております。

金融機関は、多くの飲食店を含む多くの事業者と接点があってですね、日ごろからいろんなコミュニケーションをとっていますので、そうした一環で、そうした感染防止対策の徹底、こうしたこともいろんな機会を通じて働きかけていただければということで、何か法律にもとづく要請とかではなくてですね、一般的な日常のなかで、そうした働きかけを行っていただければということであります

これは関係省庁と共有をしておりますので、関係省庁との間で、それぞれの省庁で対応されるものというふうに思います。

そのうえで、私の思いはですね、不公平感がやっぱりありますので、要請に応じているお店、要請に応じたいけれども協力金が来ないから応じられないとかですね、そういったお店があるということですので、しっかりと応じていただける店に対して先払いで協力金をお支払いする、あるいは金融機関もですね、そうしたお店に対して事業を事業を継続していけるよう、取り組んでいただきたいという思いです。

多くの皆さんがとにかく協力していただけるように、先ほども申し上げましたけれども、東京都の分析ではやはり夜間の人口、お店が開いていることで人が出る、人が出ることによってまた店が開くと、悪循環で夜間の滞留人口が増えておりますので、そういう意味で、なんとか夜間の滞留人口と感染者の数は、これはもう関係か明確にありますので、なんとか夜間の人出を減らしですね、感染を抑えていく、そのために多くの皆さんの協力を得て、そして事業者の皆さんにも協力をいただいて、時短なりですね、要請に応じていただければと、そうしたなかで、何とか今回の緊急事態宣言、できれば最後のガマンとなるように取り組みを進めていきたいというふうに考えております。

西日本新聞:今の質問の関連なんですけれども、この件については「金融機関の優先的地位の濫用に繋がるのでないか」といった指摘が自民党内からも出ています。

あらためて、昨日、大臣の発言とは若干ニュアンスが変わってきたのかなというふうに思いますけれども、昨日の、金融機関から文書で働きかけてもらうっていう、要請に応じない飲食店に対してですね、このことは撤回されたということなのでしょうか。

 

西村大臣:昨日の私の会見を聞いてみていただければいいんですけれども、金融機関から何か文書で働きかけ、とかということは申し上げていません。

私の立場から言うと、金融機関を所管をする関係省庁に、こうした取り組み、基本的に言えば不公平感の解消、そして真面目に取り組んでいる事業者の皆さんにしっかりと配慮してですね、事業を継続していけるように取り組んでほしいということをですね、関係省庁と共有をし、それを関係省庁から金融機関には働きかけてもらうということですので、何か金融機関から文書を何か出してもらうとか、ということではありませんので、昨日申し上げた趣旨はそういう趣旨で申し上げております。

朝日新聞:関連してお伺いします。先ほどの金融機関を通じた注意喚起の件で、インターネット上ではですね、融資とか貸し剥がしのほうに繋がるんじゃないかと、要は金を人質にしてる手法じゃないかというような批判も出ています。

誤解があってはいけないのでちゃんと確認したいんですけれども、そういった金融機関からの融資に関して、要は出す出さないの判断にまで影響出るということまで念頭にあるものなのでしょうか。

仮に、ないとしても事業者からみるとそういうふうに見えてしまうんですけれども、その辺はどのように認識されていますでしょうか。

 

西村大臣:当然のことながらですね、金融機関の皆さんには、引き続き事業者の資金繰り支援に万全を期していただくということで、これ何度も我々要請をしてきておりますし、そうした対応を金融機関に取っていただいているものというふうに思います。

飲食店に対して何か融資を制限をするといったような趣旨ではありません。このことは関係省庁とも確認をしています。

他方で、いま申しあげたように、真面目に応じていただいている事業者の皆さんが、やむを得ず店を開かないと続けていけない、協力金が遅い、そういった事例も多数聞いておりますので、そういった方々へ我々としては、私の立場でできることは協力金をできるだけ早く渡すということで先払いの仕組みを導入をして、協力に応じていただけるように、そしてまた、金融機関の皆さんにはですね、そうした前向きな、要請に応じたいけれどもこのままじゃ応じることはできないといったような事業者、こういうのをしっかり拾っていただいてですね、事業を継続していただけるように、そうした社会全体でこの感染を抑えるための協力をしていくと、いうことが大事だというふうに認識しております。

今回の緊急事態宣言のもとで、飲食店の皆さんには引き続き、厳しい情勢が続くことになりますけれども、何とか要請に応じていただけるように、協力金は、もう、できる限り早く先払いで対応したいと、それを今日も、東京、小池知事とも確認をいたしましたので、東京も早く対応していただけるように、私どもとして支援をしてまいりますので、ぜひとも要請に応じていただいてですね、社会全体で協力のなかで何とか感染を抑えていければというふうに考えております。

政府インターネットテレビより】

 

加藤官房長官からの説明

【テレ東BIZより】

9日午前に開かれた加藤官房長官の記者会見において、西村大臣の発言の趣旨について説明がありました

【会見内容の要約】

・金融機関への働きかけは、あくまで事業者などに感染防止策の徹底を呼びかけていただきたいという趣旨

・あくまでも協力の「お願い」

金融機関から飲食店への融資の制限等をお願いするという趣旨ではない

・金融機関へ提供する店名等の情報は、法律にもとづき「店名公表」がなされた店舗の情報を共有していく

【会見内容詳細】

朝日新聞:飲食店の対策強化についてお伺いします。昨日の会見で西村大臣が、要請や命令に応じない飲食店の情報を取引のある金融機関と共有したうえで、金融機関から働きかけてもらうことを明らかにしています。

まず、これどんな法律にもとづく対応なのでしょうか。そして、そもそもどの店が要請等に応じていないという情報をですね、金融機関に提供・共有することは法的に問題はないのでしょうか。

 

加藤官房長官:西村大臣の詳細は承知しておりませんけれども、基本的に、この新型コロナウイルス感染症拡大防止、これ、それぞれ皆さんの力をいただきながら取り組んでいく必要があります。

また、金融機関、特に飲食店を含む多くの事業者と日頃からいろいろ接点があります。

そうしたなかで、関係省庁に対し、内閣官房コロナウイルス感染症対策推進室から関係省庁に対し、各金融機関に対する働きかけの協力のお願いをしたと、いうふうに承知しております。

具体的には金融機関において、取引先との日常のコミュニケーションの機会などを通じて、事業者などに感染防止策の徹底を呼びかけていただきたいという趣旨で、あくまでも”お願い”ということでありまして、”お願い”のお願いということになるかもしれません。

また、金融機関においては引き続き事業者の資金繰り支援、これにも担っていただくわけでありますが、これには万全を期していただきたいというふうに思っておりますし、飲食店に対する融資の制限等と、これでそうしたことをお願いするという趣旨ではない、ということであります。

なお、情報でありますけれども、これは当然、法律にもとづいたですね、措置をとっていくなかで”店名公表”というのがございますから、そうした公表等がなされればですね、それは共有をしていく、あくまでもそういう趣旨であります。

(聞き取れず):西村大臣の発言を聞く限りですけれども、あえてこの金融機関からですね、働きかけをお願いする以上はですね、こう融資を止めるなど、資金面でのプレッシャーがかかる効果を期待しているとも受け取られますけれども、政府としてはそういった側面を期待されているのでしょうか。

 

加藤官房長官:いや、先ほど申し上げたように飲食店に対しては当該事業者の資金繰りを踏まえてしっかりとした支援をしていただきたい、これを基本で、そこに何ら変わるものはありません。

そのうえで、全体として感染防止対策に取り組んでいくという意味において、様々なチャンネルにおいてですね、そうした呼びかけをしっかりやっていただきたい。

例えば私ども、経済団体にもお願いをしているわけでありますけれども、そういった意味で広範な方々を通じてですね、感染拡大防止、特に今回は飲食等に焦点がありますので、その辺も含めてですね、協力をお願いをしている、というお願い、あくまでもお願い、ということであります。

 

東京都 小池知事は西村大臣の発言に対し理解を表明

小池知事「思いは私も同じ」・・・西村大臣の「金融機関から働きかけて」発言 飲食店の酒類類提供巡り

酒類の提供停止に応じない飲食店に対し、取引先の金融機関から順守を働き掛けてもらう方針を西村康稔経済再生担当相が示したことについて、東京都の小池百合子は9日の会見で、「緊急事態宣言の効果を上げていくという思いは私も同じだ」と述べた。
西村氏は、東京都に4度目の緊急事態宣言が発令された8日夜の会見で、要請に応じない飲食店の情報を取引先の金融機関に提供し、金融機関から順守するよう働き掛けてもらう方針を打ち出した。

記者から質問された小池氏は「どういう形で進めていくのかを語られたもの。急所である飲食の部分をどう締めていくのか、絞っていくのかを言及された」との認識を示した。
飲食の対策が重要だとして、「ポイントを絞りながら、ワクチンの加速とデルタ株の広がりとのせめぎ合いの中で、どう効果を出していくかという思いでおっしゃっている」と西村氏への理解を示した。
度重なる休業要請の実効性について質問された小池氏は、西村氏が協力金の先払いを検討していることに言及し、「国と連携して実効性ある協力金の態勢作りを進めていきたい」と述べた。
【2021年7月9日付け 東京新聞より

大々的には報じられていませんでしたが、東京都の小池知事は西村大臣の発言に対して理解を示す発言をしています

金融機関への働きかけを撤回

【テレ東BIZより】

9日午後に開かれた加藤官房長官の記者会見において、金融機関への働きかけは行わないとの発表がありました

【会見内容の要約】

・9日昼、自民党の森山国対委員長、林幹事長代理と会談し、発言に対する注意の申し入れがあった

・西村大臣へその旨を伝えたところ、8日の記者会見で十分な説明に至らなかったことを踏まえ、金融機関への働きかけは行わないこととした、という連絡があった

【会見内容詳細】

共同通信:午前の記者会見でも伺いました、西村大臣の発言を巡りまして、先ほど長官は自民党の森山国対委員長、林幹事長代理と会談しました。

森山氏は面会後、記者団に対し「大臣の発言は非常に重い。国民の皆さんに誤解を招く発言がないよう気をつけてほしい。」と要望したことを明らかにしましたが、政府として今後どのような対応をしていくのか、閣僚に注意を呼びかけるのかを含めてお聞きします。

 

加藤官房長官:本日昼、自民党の森山国対委員長、また林幹事長代理がおいでをいただき、昨日の記者会見での西村大臣の発言などに関して、「大臣の発言は極めて重いものであり、できるだけ国民の理解を得られるよう、気をつけてほしい。」こういった旨の要請といいますか、申し入れがございました。

これを受けて、私から西村大臣にその旨を伝え、気をつけていただきたい旨を伝えたところであります。

その際、西村大臣からは、本件に関してその趣旨を昨日の会見などで十分には説明に至らなかったと。こうしたことも踏まえ、同室、コロナ室においては、関係省庁から個別の金融機関などへの働きかけは行わないこととしたと。という連絡をもらいました。

今後とも各閣僚においては、記者会見等において、今日のご指摘も踏まえて発言の趣旨がしっかりと伝わるよう対応をしていただきたいと考えております。

なお、本件は飲食店の皆さんへの協力ということでありますので、時間短縮、酒類の提供に(ご協力)いただけるよう、昨日も申し上げたように協力金の先払いも含めてですね、そうしていただけるような環境をしっかり作っていきたいというふうに思っております。

 

西村大臣からの釈明

西村大臣は9日夜、BSフジの番組に出演し「”優越的地位の濫用”として受け止められる恐れもある」との声が寄せられているに触れ、「関係省庁から金融機関に何か働きかけをすることはやらない」と述べました

【FNNプライムオンラインより】

なお、この時点では8日付けで発出した「酒販業者に対する取引停止の依頼」は撤回されていません

2021年7月10日 西村大臣が発言を謝罪

神戸市で開かれた兵庫県知事選挙の応援演説において

「ご迷惑をおかけした。飲食店の皆さまに不安を与え、本当に反省している」

との謝罪があり、また

「何とかコロナを抑えたい。真面目に対応している皆さんに何とか報いたい思いだ」と釈明がありました。

※ 2021年7月10日付け 毎日新聞から引用

2021年7月11日 謝罪ツイート

西村大臣が自身のTwitterを更新し、自身の発言についてあらためて撤回・謝罪をしました

フォロワーからは一部の応援の声もありましたが、ほとんどは大臣の辞任や議員辞職まで求めるコメントまであり、大荒れとなりました

2021年7月13日

西村大臣が記者会見であらためて謝罪

【TBS NEWSより】

【会見内容の要約】

・なんとか感染を抑えるために協力してもらいたいという思いからの発言だったが、趣旨を十分に伝えきれず反省している

・辞任はせず、今後も責任を果たしていきたい

・働きかけの内容については、閣僚間での議論の前に事務方からの説明はあったが、閣僚間で具体的な議論はなかったと記憶している

・調整は金融庁、財務省、経産省との間で行った

・酒販事業者への依頼については、対応の検討を急いでいる

【会見内容詳細】

西村大臣:飲食店の皆さまに関する私の発言についてであります。飲食店の皆さまにはですね、長い期間に渡って厳しい経営環境のなか、感染防止対策、ご協力をいただいて、心から感謝を申し上げたいと思います。

今回、私の発言で混乱を招き、また、飲食店の皆さまに特にですね、不安を与えることになってしまいました。

なんとか感染を抑えたい、そしてできるだけ多くの方にご協力いただきたい、という強い思いからではありましたが、趣旨を十分に伝えきれず、反省をしているところであります。 

決して、融資を制限したりするといった趣旨ではありませんでしたけれども、様々なご指摘を重く受け止めてですね、また、飲食店の皆さまへの不安、皆さまの不安を払拭するためにですね、この金融機関への働きかけは行わない、ということにいたしました。

今後、飲食店の皆様には、時短等の要請に応じていただけるよう、協力金の早期給付、できるだけ早く渡すという仕組みを今、急いでおりますが、この仕組みを導入をし、迅速な支給を行っていきたいというふうに考えております。

また、金融機関にはですね、これまで重ねて事業者への資金繰りの支援をお願いをしてきているところであります。飲食店の皆様が事業を継続できるよう、支援に万全を期していきたいというふうに考えております。

他方、不公平を感解消し、ですね、要望に応じていただいている飲食店の皆様のご協力に応えていくためにも、できる限り多くの店舗にご協力いただけるよう、粘り強く、働きかけなど環境を作っていきたいと、いうふうに考えております。 

毎日新聞:大臣からも言及がありましたが、休業要請などに応じない飲食店への対策強化として、金融機関に働きかけてもらうよう呼びかけたことについて、この方針は撤回されましたが、その後もインターネット上では大臣の辞任を求める声も広がっています。

今回の混乱を招いた責任や辞任を求める声が上がっていることについては、どのように考えていらっしゃいますか。

また、要請に応じない飲食店と取引をしないよう、販売業者に求める方針について、酒類販売の業界団体は、酒類の取引停止に対する補償もない中で毅然とした対応をとることは商慣習の常識からいっても困難だ、として抗議をしています。

この抗議に関する受け止めと、この方針については撤回はせず、引き続き協力を求めていくことに変わりはないでしょうか。

 

西村大臣:まず、金融機関を通じた働きかけについての私の発言についてでありますが、なんとか感染を抑えたいという思い、そして、できるだけ多くの方にご協力いただきたいという、非常に強い思いから発言をしました。

意図するところは、まさに金融機関の皆さんが通常、事業者の皆さんと通常のコミュニケーション、対話の中でさまざま意見交換する、そのなかで、感染防止対策を呼びかけていただくという趣旨でありましたが、優越的地位の濫用ではないかなど、様々な受け止めをされ、ご批判をいただくなかで、特に飲食店の皆さんにご不安を与えてしまいましたので、私自身反省をし、そして、この働きかけについては、取りやめることとしたところであります。 

酒類販売業者の皆さま方に対する、この事務連絡につきましてはですね、2つ目の点ですね、につきましては、まさに感染症対策の徹底を図る観点から発出をさせていただいたものでありますが、決してこれも強制的な実施を求めるものではなくて、それぞれの事情のもとで、可能な範囲で感染拡大防止に対するご協力をお願いする趣旨でございます。 

酒販業界の皆様におかれてもですね、これまで感染防止対策にご協力いただいているところでありますし、国としても地方創生臨時交付金を活用して、都道府県においてですね、通常の月次支援金に上乗せをして支援を行うと、いうような対応をとってきているところでありますけれども、その上で今般、酒販業界の皆さまから、財政支援も含めて与党に対しても要望・ご意見がありですね、そしてまた私自身もご意見を承り、伺いました。 こうしたご意見も含めてですね、現在対応を検討しているところであります。

いずれにしましても、できるだけ多くの皆さまにご協力いただけるように、そうした環境を作っていくことが私の責任だと思いますので、反省すべきところを反省をしながらですね、何としてもコロナを抑えていく、そして多くの皆さまにご協力をいただく中で、感染を抑えて、そして事業も継続していける、そうした環境を作っていけるようにですね、責任を果たしていきたいというふうに考えております。

共同通信:いまの関連で、酒販販売事業者へのことなんですけど、金融機関のほうに関しては協力、取り下げられましたが、酒類販売のほうは取り下げない、差が出る理由というのはどういったことなのでしょう。

西村大臣:酒販業界の皆さまからご意見もいただきましたので、それを踏まえてどういうふうに対応していくか、現在検討を急いでいるところであります
与党にも様々要望ご意見が出されておりますので、与党とも調整しながら対応を急ぎたいというふうに考えております。

 

共同通信:さらに、具体的な財政支援みたいなものを考えていらっしゃるということなのでしょうか。

西村大臣:現在、対応を検討しているところであります。

読売新聞:関連してなんですが、金融機関とか酒販売店の今回の要請についてなんですが、金融庁や経産省などと関係することがあると思うんですが、今回、こういったものの決定について、関係閣僚と事前調整をされたのか、あるいは西村大臣のもとで考えられ決めたのか、ということを教えてください。よろしくお願いいたします。

 

西村大臣:まず関係閣僚間でですね、官邸での打ち合わせを行って、これまでも行ってきております。

その打ち合わせに入る、閣僚間の議論に入る前の段階で、現在の感染状況などについて事務方からの説明が行われる、通常行われることになっております。 

その中で、この酒類の提供停止に関連して、金融機関や卸売業者の方々への働きかけについても触れられたところでありますが、閣僚間の議論におきましては、まさに、緊急事態あるいはまん延防止等重点措置の対象地域をどうするか、あるいはその期間、それから飲食店の酒類提供の停止、これは専門家も指摘する対策の肝である一方ですね、協力いただいている飲食店の方々にとっては死活問題でもありますので、そうした点も踏まえ、必要な支援策は何か、また、多くの方々に要請に応じていただける環境をどう作るか、こういった点を中心に議論が行われました。 

それ以上の具体的な、まさに金融機関への働きかけなどについての議論はなかったものというふうに記憶をしております。 

そして、この金融機関に対する働きかけ、今回廃止した通知でありますけれどもあるいは酒類販売に対して通知の具体的内容につきましては、内閣官房のコロナ対策室が関係省庁と調整の上で協力依頼を行ったもので、ということであります。 

朝日新聞:先ほどの讀賣新聞さんの質問のご回答でちょっと確認させていただきたいんですけれども、閣僚間の議論に入る前の段階の事務方でのご説明では、働きかけについても触れられていたということなんですが、これは、いわゆる5大臣の会合の冒頭のスタートのとこの事務方の感染状況の説明などと合わせて、その場で出ていたと、5大臣ともその説明は耳に入っていたという認識でよかったでしょうか。

 

西村大臣:通常、閣僚間で議論する前にですね、事務方から感染状況、病床の状況、あるいは様々なトピックス、今後の対応など、まず事務的な説明を受けますので、それは総理はじめ我々も、閣僚聞いた上で、その上でさまざま議論をしていくというのが通常のパターンで、今回もそういうことでありました

繰り返しになりますが、閣僚間の議論では、特に集中して、地域どうするのか、期間をどうするのか、それからどうやって皆さま方に協力いただけるのか、あるいは支援をさらにどう強化していくのか、今回導入した”先渡し”という言い方をしていますけれども、期間が終わるまでに、通常は期間が終わってから、募集、受付が始まって1ヶ月2ヶ月たつわけですけども、今回、お願いをする期間のうちにできるだけ早く申請を始めて早期支給しようと。 

そういう趣旨での対応していくことにしたわけですけども、そういったところに議論が集中したということです。 

朝日新聞:そうなると、先日の総理の、このぶら下がりのときに、総理は把握していないというか認識していないというご発言だったんですけれども、総理の耳にも一応、その働きかけの方針は入ってはいたということでいいんでしょうか。

西村大臣:総理があのときご発言されたのは、私がどういうふうに言ったか、私の発言については、承知していないというふうに言われたというふうに理解をしてます。 

朝日新聞:最後に1点だけ、関係省庁と調整をされたということなんですけれども、その相手先の関係省庁は金融庁、経産省、財務省という認識でよろしいでしょうか。

西村大臣:はい、その通りです。

東京新聞:あらためでで恐縮なんですけれども、酒販事業者さんへの要請なんですけれども、国税庁などからも要請が入っていることによって、要請と言いながら、受ける側にとっては「圧力」というふうに受け取るということで抗議がきていると思うんですけれども、これについて、法的な根拠がない要請で憲法違反であるとか、法的な問題点を指摘するという声も出ているんですけれども、これについて、それでもやっぱり必要なんだという必要性について、あらためて大臣のご見解を伺いたいんですけど。

 

西村大臣:今回、東京に緊急事態宣言を発出するにあたって、東京都ともかなり打ち合わせをし、酒類の提供を停止をするということで、今の変異株、デルタ株が足元2割から3割になってきていること、50代・40代の入院が増えていること、重症者が増えてきていること、これの対応という観点から強い措置でお願いせざるを得ないというなかでですね、様々議論を行いましたけれども、何とかご協力いただいて感染を抑えていきたいというなかで、今回、酒類の販売事業者の皆さまにもこのような形でお願いをさせていただきました。 

これは、何か強制的な実施を求めるというものではありませんので、まさにそれぞれの事情のもとで可能な範囲でですね、各事業者のそれぞれの事情のなかで、可能な範囲で感染拡大防止に対する協力をお願いをするという趣旨でお願いをさせていただきました。 

そうしたなかで、様々なご指摘、ご批判、ご意見もいただいておりますので、私も直接お伺いしましたし、与党にも寄せられておりますので、そういったものを踏まえてですね、そういったご意見も踏まえて現在対応を検討を急いでいるというところであります。

 

東京新聞:その対応というのは、取り下げる可能性もあるということなのでしょうか。

西村大臣:検討を急いでおります。 

 

酒販事業者への働きかけを撤回

13日夜、政府は酒類販売団体に対しての働きかけの撤回を決め、同日付けで廃止の事務連絡を発送し、西村大臣も自身のTwitterで発表しました

2021年7月14日

菅首相の記者会見(ぶら下がり)

【会見内容の要約】

・多くの方のご迷惑をおかけし、私(菅首相)からもお詫びする

・金融機関及び酒販業者への働きかけの内容を事務方からの説明で言及していたとのことだったが、具体的な内容を議論したことはなく、承知もしていない

・西村大臣の進退については明言せず(続投のようなニュアンス)

【会見内容詳細】

(酒類の提供を続ける飲食店に関する金融機関や酒販業者への働きかけの要請撤回について)

先週の事務方の説明の中で言及されているということでありますけども、要請の具体的な内容について議論したことはありません。既に要請は撤回されておりますが、多くの皆様方に大変御迷惑をおかけしたことにつきまして、私からもお詫びを申し上げたい、このように思います。

(金融機関や酒販業者への働きかけについて)

私、申し上げましたけれども、要請の具体的な内容等については議論しておりませんので、そこは承知しておりません

(金融機関や酒販業者への働きかけについて(再))

既に撤回をして、今、お詫びを申し上げたところであります。いろんな方に大変御迷惑をおかけしたと、このように思っています。

(西村大臣について)

西村大臣は感染防止のためにですね、朝から夜まで頭が一杯で、いろんな対策を練ってきているというふうに思っています。そういう中で、やはり丁寧に説明していく、このことが大事かなというふうに思います。

(今回の混乱の責任について)

内閣として、やはりご関係者の皆さんに迷惑をかけるようなことは、そこは避けるべきだというふうに思います。みんなでそこはしっかり対応していかなければならないと思います。

首相官邸HPから引用】

 

国から各都道府県へも要請していたことが発覚

衆議院内閣委員会に置いて、国民民主党の山尾志桜里議員が「政府は撤回したが、東京都には残っている」として、西村大臣に質問しました

「残っている」というのは、東京都の中小企業者等月次支援給付金を申請する際に必要な「誓約書」において、

「酒類販売事業者として本要綱に基づく給付金を申請する場合には、飲食店の休業・時短営業の影響があることを要件としており、これを満たしていることに相違ありません。加えて、直接的又は間接的に取引を行う飲食店が酒類の提供停止を伴う休業要請等に応じていないことを把握した場合には当該飲食店との取引を行いません

という記載です

山尾議員の調査によると、この誓約書は4月~6月分の支給にかかる書類で、7月1日から申込みがスタートしていたものでした

西村大臣からは、「初めてみた」「このことについて小池都知事と特段のやり取りをしたことはない」「どういうふうにあるべきかしっかり確認していきたい」との答弁でした

しかし、山尾議員によるその後の調査の結果、西村大臣が所管する内閣官房コロナ対策推進室から各都道府県あてに2021年6月11日付けで次の通知が発出されていたことが発覚しました

赤枠部分の後半において、「酒類販売事業者に対して、飲食店が要請に応じていないことを把握した場合には取引を行わないよう努める旨の書面の提出を求めるなどの取組を行うようお願いします」との一文があります

東京都はこれに従ったものと思われますが、東京都の誓約書では内容がさらに過激なものとなっています

報道などで明るみになったことにより、政府は14日夜に6月11日付けの事務連絡を撤回し、東京都も誓約書の要件から削除しました

まとめ

経緯まとめ

2021年7月8日

【記者会見での発表内容】

・金融機関に対し、融資先の飲食店への要請・命令遵守の働きかけ

・飲食店をメディアや広告で扱う際、飲食店の遵守状況に留意するよう依頼を検討

・酒類販売事業者に対して、要請に応じない飲食店との取引を停止する依頼

2021年7月9日

・金融機関に対する働きかけを撤回

2021年7月10日~12日

・西村大臣の釈明、謝罪

2021年7月13日

・西村大臣が改めて謝罪

・酒類販売事業者に対する働きかけを撤回

2021年7月14日

・菅総理が謝罪

・2021年6月11日付けの都道府県への要請を撤回

・東京都などが誓約書から取引停止の文言を削除

【関係閣僚の反応(2021年7月15日時点)】

・菅首相

要請の具体的な内容について議論したことはなく、承知もしていない

・麻生副総理兼財務相

普通に考えておかしい。そんなのほっとけと言った

・梶山経済産業相

強い違和感を覚えた。了承した事実はない

・西村経済再生担相

私の責任で行った

今回の発言問題については、他にも数えきれないくらいの記事がありましたが、直接関係する記事だけを参考に時系列で詳しく整理しました

最終的に働きかけは撤回されましたが、この発言問題は今後も尾を引きそうです

それではまた

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もぐすけ
元地方公務員の脱サラ中年「もぐすけ」です。 誰もが思いそうな素朴な疑問(略して「そぼぎ」)について情報発信しています。

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