今回は道でカラスが襲ってきたときに最も簡単で効果的な対処法をご紹介します
狂暴なカラス夫婦から「巣を狙う脅威」として誤解されて毎日襲われるようになり、勉強や対処法をいろいろ実験した結果からのご紹介なので、少しはお役に立つと思います
最初に結論をご紹介しますが、後半ではカラスが人間を襲う理由や失敗談なども書いていますので、よかったら最後までご覧ください
目次
カラスに襲われたときの簡単な対処法OK
結論からご紹介すると、1番簡単で効果的だった方法は
「片腕を頭の横にまっすぐあげて歩く」です

↑ こんな感じですが、もっと頭の横に寄せます
このときに決して腕は振り回したりせず、まっすぐ上げたままにしておきます
腕を動かしてしまうと、カラスが「攻撃された」と認識して威嚇が激しくなってしまうので、焦って動かしたりしないようにしてください
効果の理由は後から解説しますが、これだけでカラスがあなたの後頭部を蹴ってきたり、頭上スレスレを飛行されるのを防ぐことができます
実践前は後頭部を蹴ってきたり頭上スレスレを何度も飛んでいましたが、この方法を実践するようになってからは、頭上は飛び回るものの、あまり気にならない高さを飛び回るようになりました
今のところ1度も蹴られたりはしていません
「両腕を上げて歩くのが効果的」と紹介されている人もいますが、両腕でも片腕でも効果は同じでした
なぜ「片腕を上げる」のが効果的なのか?
片腕を上げるのが効果的な理由は「上がっている腕が後頭部を狙う時の障害物になるから」です
カラスなどの鳥類は、自分の羽が傷つくことを極端に嫌うので、人間の頭上に接近したり後頭部に蹴りをいれるという行動は「絶対に自分の羽はダメージを受けない」という確信がないとできません
そのため、カラスが狙っている後頭部の横に腕が上がっていると「近づいたときに羽が腕にぶつかってダメージを受けるかも」と警戒するので、近づくことをやめます

ちなみにカラスが襲ってくるときは、人間から絶対に反撃されないように必ず後方から近づいてきます
また、ネット上では
と書いている人も見かけますが、実際は通過するときに蹴ってくるだけです
投げたテニスボールが後頭部に当たるくらいの衝撃があるので「つつかれた」と感じたのかもしれませんが、カラスの体の構造上、飛びながらつつくということはできないそうです
と書いてある掲示板も見たことがありますが、よほどのレアケースだと思います
人間に例えれば、巨大なクマにくっついてポコポコ殴っているようなものです
そんなの怖すぎて絶対にできないはずですよね
カラスが人間を襲う理由
そもそも、カラスが人間を襲う理由は、人間側からカラスへ嫌がらせなどをしていない限り
「自分の巣を守るために人間を遠ざけたいから」です
決してあなたを襲って食糧にしようとしているのではなく、子供を守ろうとする親の防衛本能からくる行動です
巣を守ろうとしているカラスの警戒範囲は、巣から半径20~100m程度といわれており、その範囲を出れば威嚇してきません
人間を襲うカラスの種類は?
常に日本で生息しているカラスは「ハシボソガラス」と「ハシブトガラス」の2種類で、人間に襲いかかってくるカラスのほとんどは「ハシブトガラス」です
繁殖状況 | ハシボソガラス | ハシブトガラス |
---|---|---|
造巣期 ※1 | 攻撃性なし | 攻撃性なし |
抱卵前期※2 | 攻撃性なし | 攻撃性なし |
抱卵後期 | 攻撃性なし | 攻撃性なし |
育雛前期 ※3 | 攻撃性なし | ふ化直後は、人間が巣を見つめていると警戒鳴きをする場合がある |
育雛後期 | 攻撃性なし | 特にヒナへの給餌後に神経質になる場合がある |
巣立ち直前 | 少し鳴く | 威嚇鳴きや低空飛行※4 する場合がある |
巣立ち直後~10日間 | 少し鳴く | ヒナに近寄ると威嚇行動をとる場合がある |
巣立ち後2週間~ | 攻撃性なし | 人の行動を気にするが、威嚇などの行動はほとんど見られない |
※1 ぞうそうき=巣を造っている期間
※2 ほうらんぜんき=卵を温めている期間の前半
※3 いくすうぜんき=巣の中でヒナを育てている期間の前半
※4 ていくうひこう=人の後ろから頭スレスレに飛んでくること
【出典:知っているようで知らないカラスの話(札幌カラス研究会代表 中村眞樹子 著)】

これが「ハシボソガラス」です
くちばしが細く、くちばしからおでこにかけてのラインがストレートなのが特徴で、河川敷や農耕地などの開けた環境に生息しています
雑食性ですが、ハシブトガラスよりも植物を好むようです
札幌カラス研究会代表の中村さんによると、性格はとても生真面目だそうで、執拗な嫌がらせをされない限りは人間を襲ったりしないそうです
知能はとても高く、「道路に堅い木の実を置いて車に割らせる」という高度なテクニックを使うのはハシボソガラスです
頭が良くてハシブトガラスのように乱暴なことをしない真面目なカラスのようです

そして、これが憎き「ハシブトガラス」です
くちばしが大きくて太く、くちばしからおでこにかけてのラインがポコッと出ているのが特徴です
本来は森林に住んでいたカラスですが、森林伐採などの影響により都市部へも進出してきました
こちらも雑食性ですが、ハシボソガラスとは違って肉食系で、肉なども引きちぎれるほどの咬む力を持っています
ハシボソガラスと同じように知能は高く、それでいて性格も狂暴なのでタチが悪いですね
コイツを見かけたら関わらないようにしましょう
他の有効な方法
「片腕を上げる」よりは少し面倒ですが、他にも有効な方法があったのでご紹介します
カラスがあなたを襲ってきた場所の近くには、ほぼまちがいなくカラスの巣があるはずです
先ほども書きましたが、カラスが警戒するエリアは巣から半径20~100m程度だといわれているので、可能ならば7月いっぱいくらいまでは近寄らないようにするのが確実です
私の場合は玄関を開けたすぐ先に巣があったので、どうすることもできないですが(笑)
親ガラスは人間をぜんぜん恐れていないように感じるかもしれませんが、実は自分よりはるかに大きな人間に向かっていくのは怖いと感じています
常に背後から奇襲してくるのも、背後なら反撃されないだろうと思っているからです
そのため、ちょこちょこ振り向きながら歩いてみたところ、カラスが警戒して襲いかかってこなくなりました
有効な方法ではありますが、そもそも腕を上げて歩いていれば被害を受ける心配はないので、どうしても腕を上げることに抵抗があるのでしたら実践する価値があるかもしれません
傘をさすと後頭部が隠れるので襲ってくることはなく、バリアを張っているような感じで安心感もあり、折り畳み傘でも有効です
ただ、常に持ち歩くのが面倒なのでヤメました
ちなみに傘を閉じて上にあげておくだけでも、腕を上げるのと同じ効果がありました
もし折り畳み傘や日傘などを持ち歩くのが苦にならないのでしたら有効な方法です
蹴られた際に爪によって頭皮に傷がつく可能性があるので、後頭部を保護するために有効です
ですが、ひもが付いていないとカラスに持っていかれる可能性があります
ちなみに「つば付きの帽子をかぶれば、カラスから顔が見えなくなるので襲われない」と書いてある某市役所のサイトを見たことがありますが、試してみたらバッチリ顔を認識されて蹴っ飛ばされました(笑)
蹴られる可能性が低くなり、もし蹴られても後頭部のダメージを無効化することができます
しかし、頭上スレスレは飛び回るので、ストレスはあまり減りませんでした
早朝に1度だけ試しましたが、カラスが私の顔を認識できなくなったせいか、襲われることはありませんでした
しかし・・・見た目は完全に不審者なのでヤメました(笑)
「カラスは人間の顔を覚える」っていわれたりしていますが、本当なんだと思います
絶対にやってはいけないこと
実際に試していないものもありますが、巣を守ろうとしているカラスへ絶対にしてはいけないことがあります
これは絶対にしてはいけません
後頭部を蹴られたからといって、腹いせに石を投げたり大声で威嚇したりなどの反撃すると完全に逆効果です
親ガラスがあなたへの警戒レベルを「自分の巣を狙う敵」から「カラス全体にとっての敵」にレベルアップさせ、子育て後も常に狙われるようになってしまいます
さらに、カラスは情報伝達能力もあるそうなので、情報を聞いた他のカラスからも狙われるようになってしまうかもしれません
もっとひどくなると、顔や服装が似ているだけの関係のない人まで襲うようになってしまいます
カラスの記憶力は優秀で、実験では少なくとも12ヵ月間は記憶を保っていたそうです
ムカつくと思いますが、繁殖中の一時的な防衛行動にすぎないので、先ほどご紹介した方法で身を守るだけにしておきましょう
人間でも子育て中は子供を守ろうと神経質になるはずなので、カラスも同じなのだと思うことにしましょう
恐怖から逃れるために走って逃げたくなると思いますが、あまりおすすめできません
おそらくカラスをキョロキョロ見ながら走ることになると思うので、他の歩行者や障害物にぶつかったり、何かにつまづいて転んでしまうかもしれません
また、動物には「逃げるものを弱者と認識して追いかける」という本能があるので、走って逃げてしまうとカラスに対して弱みを見せてしまうことになります
そうすると、威嚇がさらにエスカレートする可能性があります
とても怖いと思いますが、大けがをしたり殺されることは絶対にありませんので、落ち着いて歩きながらその場を立ち去りましょう
人間に例えれば、家の前でジーっと中を除いたりイタズラするようなものです
こんな人がいたら、子育て時期でなくても追い払おうとしますよね?
ハシブトガラスの巣は木の中や電柱の上など、通常は人間の目から見つかりにくいところにありますが、場所によっては巣が見えてしまうことがあります
そのような場合でも、決して巣をジーっと見つめないようにしてください
カラスは視力が人間の5倍ほどあるそうなので、近くで自分の巣を見つめている人間をすぐに見つけ、巣を狙う脅威として指名手配される可能性が高いです
私が巣を狙う敵として誤解されたのも、たぶんこれが原因です
カラスを含めた野鳥は「鳥獣保護管理法」という法律で保護されており、許可なく勝手に巣を撤去したり卵やヒナを捕獲することはできません
被害が特にない場合は巣立ちまで放っておくのがベストな方法ですが、威嚇行動が激しい場合は、巣がある場所の土地の管理者から許可を持つ専門の業者に依頼して巣を撤去してもらうことができます
ということなので、私のように近所に住む人間は巣に手出しができません
失敗談など
最後に対処実験の失敗談などをご紹介します
なぜカラス夫婦に誤解されたのか?
私が初めてカラス夫婦に頭を蹴っ飛ばされたのは2021年5月21日の早朝でした
毎朝ウォーキングをしているのですが、戻ってきてアパートの階段を昇っている途中にガツンと蹴られ、何が起きたのかわからずに後頭部を触ると見事に出血していました
その日以来、家を出ると必ず夫婦で私に襲いかかってくるようになりました
もちろんカラスに嫌がらせをしたことはなく、巣をジーっと見ていた記憶もないので、原因にまったく心当たりがありませんでした
ところが、カラスの生態についていろいろと勉強しているうちに、原因らしきことがわかりました
どうやら、我が家の玄関とカラスの巣の位置関係は

このようになっていたようで、玄関の目と鼻の先にある空き家の敷地の木にカラス夫婦の巣があることがわかりました
そして、ウォーキングから帰ってきたら玄関先でボーっとタバコを吸うのが日課になっていたのですが、どうやらそれを見た親ガラスが「私が木の中にある巣をジーっと見ている」と認識したのではないかと思います
玄関が2Fなので、ちょうど視線の先にカラスの巣があったんですね
かなり生い茂った木なので巣は見えないのですが、私の視線だけで判断したようです
カラスの生態を知っていれば、威嚇行動を察知して木を見ないようにすることもできたので失敗でした
変装の失敗

カラスのことを調べてみると「危険人物を顔や服装で判断している」と書いてあったので、服装をガラッと変え、帽子とマスクをしても襲われるのか実験してみました
結果、近くには飛んでくるものの、蹴っ飛ばされたりなどの激しい威嚇がなくなりました
ところがある日のウォーキングで、巣から200mほど離れた場所でマスクと帽子を外して歩いていたところを親ガラスに見られてしまい、変装を見破られてしまいました
それ以来、服装を変えてもマスクをしても効果がゼロになりました
カラスが嫌がる音で失敗
YouTubeで「カラスが嫌がる音」という動画がたくさんあり、その中から「高周波音」と「猛禽類の声」の2つをスマホから流してみました
結果、家から出るときは何も起こらなかったので成功したかと思いきや、戻ってきたときはいつものように襲われました
たまたま家を出たときは両親そろって留守にしていただけのようです(笑)
「カラスが嫌がる音」は、通常モードのカラスには効果があるかもしれませんが、子供を守ろうとするカラスには無意味のようです
そして、猛禽類の声はうるさいので近所迷惑になります
【人間の耳に聞こえにくい最大音量のカラス除け音】
【カラス撃退用 鷹】
カラスとにらみ合いで失敗?
ある日、いつものようにカラス夫婦が襲ってきたとき、玄関前の手すりに夫婦がとまりながら、たぶん旦那のほうが手前に来て私を睨んできたので、あまりに腹が立ってジーっとにらみ返していました

私とカラス旦那は距離にして約1mほど、1~2分程度のにらみ合いの末、カラス旦那が奥さんのほうに少し後ずさりし、なにやら聞いたこともないダミ声で会話らしきことをしていました
それ以来、カラス旦那は私を威嚇しながらも、それまでよりは少し距離をとるようになった感じがします
その代わり、奥さんのほうの威嚇が激しくなった気がするのですが、一体どんな話をしていたんでしょうね
ネット上では「カラスとは目を合わせてはいけない」と書いてあるブログなどがあったので、もしかしたらカラス奥さんからは完全に敵だと思われてしまったかもしれませんね
おわりに
ハシブトガラスが巣を守るために攻撃的になる時期は、ネット上の情報ではマチマチですが5月~7月がピークのようです
1度でもカラスから攻撃されると、外に出るのもイヤになったり、カラスへ復讐してやりたくなると思います
ですが、限られた期間内での本能的な行動なので、知能がはるかに高い私たちのほうが少しだけ譲り、今回ご紹介した方法でカラスを避けるようにするのが平和的な解決法だと思います
といいつつも、私を襲ってくるカラスは威嚇の段階を無視していきなり蹴ってくるような凶悪夫婦なので、本当は巣を撤去してほしいんですけどね
先日、市役所へ相談してみたところ、近所から同じ被害相談が複数寄せられているそうで、土地の所有者を探して巣の撤去を促してみるとのことでした
市役所の職員が現場を確認したところ、どうやら卵の状態(抱卵期)だったそうです
ん? 先ほど「カラスの種類」でご紹介した行動パターンでは、抱卵期は「攻撃性なし」って書いてましたよね??
抱卵期でも激しい威嚇や攻撃をするということは、ヒナが生まれた後は一体どんなことをしてくるのやら・・・よほど狂暴凶悪な夫婦のようです
タチの悪い夫婦がいるのは人間もカラスも同じなんですね(笑)
それではまた