日常生活の話

【たぶんムリ】新型コロナワクチンの高齢者接種は7月末までに終了するのか?

もぐすけです

高齢者接種、7月末までに終了との自治体は約85%=総務省・厚労省

[東京 12日 ロイター] – 総務省と厚生労働省が12日公表した新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け接種時期に関する調査結果によると、政府が目標としている7月末までに接種が完了すると回答した自治体は全国1741のうち1490だった。高齢者人口の84.5%に相当に相当する。もっとも、4月までの聞き取り調査では約1000程度にとどまっており、一定の改善は確認された。

政府は7月末までに全国の高齢者3600万人に対する接種終了を掲げている。今回の調査では、7月末まで終了可能と回答した自治体の高齢者人口は3000万人となっている。

一方、185の自治体は8月中、66の自治体は9月以降と回答した。政府は自治体の医療従事者不足などの課題を支援し、7月末までに完了させる目標は堅持する。

都道府県別では、7月末に接種終了と回答した自治体が多いのは岩手県、新潟県、京都府など。一方、東京都では7月末終了予定の自治体は67.7%、秋田県は56.0%などとなっており、地域でばらつきがある。

【出典:ロイター 2021年5月12日付け】

当初の調査結果では約60%だったものが、最終的に84.5%の自治体が7月までに終了できると回答したそうです

少し冷静に考えれば、5月の時点でほとんど進んでいないものが、残り70日くらいで85%の自治体(3,000万人)が終了できるとは思えないことがわかるはずです

では、なぜ85%の自治体はそんな回答をしたのでしょうか?

それは、菅首相から檄を受けた武田総務大臣が、全国の自治体に圧力をかけて無理やり回答させたからです

その様子がよくわかるのが、こちらの記事です

【独自】「7月末までに高齢者ワクチン接種完了は無理」全国の地方自治体の6割回答 菅首相の指示で混乱

~中略~

しかし、休業、自粛要請ばかりで肝心のワクチン接種は一向に進まず、国民の怒りは爆発寸前だ。日本国民の接種率(4月末時点)はわずか1.3%と経済協力開発機構(OECD)加盟国37カ国で最下位だという。それに比べ、米国は37%、英国は約36%、さらに中国、シンガポール、韓国などアジア諸国より低い。その批判を抑えようと、菅義偉首相が連日、檄を飛ばしている。 「7月末までに高齢者のワクチン接種を終わらせろ」

そのとばっちりを受けているのが、武田良太総務相だという。

「これまでワクチン接種は、田村厚生労働相や河野ワクチン担当大臣が中心だった。しかし、スピードが遅く、なかなか進まない。菅首相の“ポチ”と言われる武田大臣が呼ばれ、『とにかくワクチンを打ちまくれ』『何とかしろ』と厳命されたので、あたふたしています」(総務省関係者)  

しかし、現実は厳しい。厚労省が4月末、全国の地方自治体に内々で調査したところ、1741の市町村のうち6割以上の1100の自治体が「7月中に高齢者のワクチン接種完了はできない」と回答している。  主な理由は「ワクチンが国から届かない」「予約を受け付けると瞬殺で埋まってしまい、現場が大混乱」などなど…。

~中略~

AERAdot.で既報したたように、菅首相の命令を達成しようと武田総務相が全国の知事や市町村長に直接、メールを送って「7月末に終わらせるように」と訴えている。総務省関係者がこう明かす。

「厚労省調査に対し、『7月中には終わらない』と回答した市町村にはローラー作戦で電話をかけまくり、カネ(財源措置)というニンジンにぶら下げながら、『7月中に接種が終わるような接種計画だけでも作ってくれ』、そして7月中は無理という回答だけでも『撤回・修正してくれ』という上意下達の指示を出しています。都道府県の副知事や市町村の幹部に直談判しようと、出向している官僚をリストアップ。官邸の意向がダイレクトに伝わるよう訴えています」

しかし、自治体からは『ワクチンが足りていない』『ワクチンが届く日程をわからないと、間に合うとは断言できない』『ワクチンが来ても医療従事者が確保できるか』など前向きな回答が得られない状況が続く。

九州地方の市長はAERAdot.の取材に対し、総務省のローラ作戦を認めた上で、呆れながらこう明かした。

「総務省から何度か連絡がきています。菅首相が7月末と国民に約束したから至上命題と言ってきた。しかし、ワクチンは届きません。うちのような田舎町だと、医療従事者の確保もそう簡単に確保できません。そこを説明すると、ガッツと気迫で頑張ってくれと精神論のようなことを担当者は言っていました。連休明けには7月末にできるか、回答してくれと言っていたが、要は連休も働けと強要しているようなもの。ワクチンも届かない状態でどうしろと言うのか。官僚ってどうしてこんなバカなことを言うんですかね。ガッツと気迫でコロナを克服できるわけありません」

【出典:AERAdot. 2021年5月3日付け】

「国が本当にこんなことをしているのか?」と疑いたくなるかもしれませんが、おそらく本当です

なぜなら、私も地方公務員時代にまったく同じ経験をしたからです

守秘義務の関係があるので詳しいお話はできませんが、今回と同じような自治体のスケジュールを確認するような調査で、総務大臣の強い意向があるものでした

話のイメージは、先ほどの記事に掲載されていたものとほとんど同じです

総務省から幹部に直接連絡が入り、それが下へ下へと指示され、最終的に担当者の私へ指示がありました

信じられないかもしれませんが、このようなことは日常茶飯事です

 

法律上では国と都道府県、市町村は対等の関係にあるのですが、残念ながら国には絶対に逆らうことができない構造となっています

その象徴の1つが「地方交付税」です

【地方交付税とは?】

地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、すべての国民へ同じ行政サービスを提供できるようにするため、国から地方公共団体へ交付される資金で、使途に制限はありません

地方交付税には、全国一律の基準により算定された「普通交付税」と、災害対応などイレギュラーな経費に対して交付される「特別交付税」があります

ほとんどの都道府県や市町村はこの「交付税」を頼りに運営しており、この交付税の権限を握っているのが「総務省」です

 

簡単な話、お金を握っているところに逆らうのはとても難しいです

国に限らず、会社内や家庭でも同じですよね

 

わかりやすい例では、2019年に起きた大阪府泉佐野市のふるさと納税の事件です

国(総務省)からの要請に逆らってふるさと納税を集めまくった泉佐野市が、2019年12月分の特別交付税を大幅に減らされ、さらにふるさと納税の対象自治体から外されたという事件です

対象自治体から外された事件は最高裁まで争われ、最終的に泉佐野市が逆転勝訴しました

国(総務省)はこういうことを平気でやります

もし国に逆らう自治体があったら、交付税を減額することもやろうと思えばできます

 

地方公務員として働いたことがなければわからないことですが、地方自治体にとって国(総務省)は「合法ヤクザ」と呼ぶにふさわしい省庁です

お金と絶大な権力を握っている分、山〇組よりもはるかに厄介な存在です

年に1度、特別交付税をたくさんもらうために都道府県の担当者が総務省へ要望に行くという仕事があり、そのときのやり取りを一言一句記録した資料を見たことがあるのですが、とてもここでは書けないような汚い言葉で総務省の職員から罵倒されている様子が書かれていました

 

話が大きく脱線してしまいました・・・

ということなので「85%の自治体が7月までに終了できる」というのは、総務省からの圧力によって作られた回答なので、おそらく不可能です

そして達成できなかった場合は、国は今回の回答を後ろ盾に地方自治体へ責任転嫁するという未来も見えます

最後まで否定的なことばかり書きましたが、今回の回答通りに進んでくれることを願っています

ではまた

ABOUT ME
もぐすけ
元地方公務員の脱サラ中年「もぐすけ」です。 誰もが思いそうな素朴な疑問(略して「そぼぎ」)について情報発信しています。

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