公務員の話

地方公務員の勤務時間は変えられないの?(船橋市職員が退勤記録を316回ごまかした話)

今回はこんなニュースをネタにします

バスに乗りたいから2分早く「退勤」、記録も頼んで改ざん・・・316回ごまかした市職員

千葉県船橋市教育委員会は10日、1年9か月間で316回、勤務終了前に退勤しながら、他の職員に頼んで正規の時間に退勤したように記録させていたとして、生涯学習部の課長補佐級の女性職員(59)を減給10分の1(3か月)の懲戒処分とした。

発表によると、出先機関に勤務する女性職員は、帰宅時に最寄りのバス停から午後5時17分に出発するバスに乗るため、正規の退勤時間の同5時15分より2分程度早く退勤する行為を繰り返していた。バス停は職場から徒歩3、4分で、後続のバスの出発時刻は約30分後だったという。

同様に勤務時間終了数分前の退勤を繰り返したり、依頼を受けて退勤時間の記録を変更したりした正職員1人と会計年度任用職員6人も訓告や厳重注意処分を受けた。

【出典:2021年3月11日付け 読売新聞オンライン】

これを見た誰もが

ごまかしたのは悪いことだけど、公務員は勤務時間を2分ずらすこともできないの?

と 思ったのではないかと思います

ということで今回は

「地方公務員は勤務時間を変えることはできないのか?」

というギモンについてわかりやすく解説していきます

地方公務員の勤務時間は変えることができないの?

結論から先に言いますと、職員を任命した人の権限で自在に変えることができます

「任命した人」というのは、通常は組織のトップにあたる人なので、今回のような教育委員会の事務局の場合は「教育長」ということになります

※ 組織によっては名称が違う場合があります

勤務時間はどのように決まっているの?

地方公務員の勤務時間の決まりというのは「地方公務員法」という法律が根っことなっており、この法律を基にして各地方自治体が具体的な勤務時間などを決めています

今回取りあげた船橋市教育委員会を例にすると、船橋市が「条例」「規則」という独自のルールの中で次のように決めています

① 勤務日・・・勤務する日は年末年始や土日祝日を除いた平日とする

② 勤務時間数・・・勤務時間は1週間あたり38時間45分とし、1日の勤務時間は7時間45分とする

③ 始業時間と終業時間・・・8時45分から17時15分までとする

④ 休憩時間・・・12時15分から13時00分までとする

という形で勤務日や勤務時間を決めています

他にも細かなルールを決めているのですが、長い話になるので割愛します

勤務時間を変更する方法は?

勤務時間は「条例」や「規則」というルールで決まっているので、パッと見だと自由に変えることができないように見えます

ですが、船橋市の規則の中でこのようなルールがあります

一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する規則

第2条(勤務時間の割振り)

3 前2項の規定にかかわらず、当該公署の必要性等により、任命権者は、別の時間帯に勤務時間の割振りを行うことができる

翻訳すると

勤務時間を8時45分~17時15分までと決めているけど、もし変える必要があるんだったら、任命した人の権限で別の時間帯に変えてもいいよ

というルールも決めています

つまり、任命した人が必要性を納得すれば勤務時間を変えてもらうことができるというわけです

 

私が以前に勤めていた北海道庁でも同じようなルールがあり、働き方改革の1つや新型コロナウイルス対策のための時差出勤に活用されています

おわりに

ガチガチに固いイメージのある公務員の世界ですが、今回ご紹介したように勤務時間を変えることができるといった柔軟なルールも用意されています

今回処分された職員も退勤時間のごまかしなどをせず、上司に事情を話して勤務時間を変えてもらえれば解決できる問題だったと思うのですが、相談できなかったんでしょうか…

実際のところはわかりませんが、もしかしたら組織や上司の考え方がガチガチに固くて、このような制度を使いこなせていないのかもしれませんね

公務員というのは、仕事の性質も影響してなのか「前例踏襲」、「現状維持が大好き」というのが根強い職場が多いため、船橋市も職員を処分するだけでなく、勤務時間が変更できるルールを職員に周知して定着させていく努力が必要ではないかなと思います

それではまた

ABOUT ME
もぐすけ
元地方公務員の脱サラ中年「もぐすけ」です。 誰もが思いそうな素朴な疑問(略して「そぼぎ」)について情報発信しています。

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