2021年2月3日に開催された「日本オリンピック委員会の臨時評議員会」での森喜朗会長の発言を巡り、国内のみならず世界各国からも批判されて大炎上しました
ニュースやワイドショーなどを見てみると、森会長の発言の中で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」
「私どもの組織委員会にも、女性は7人くらいおられますが、みんなわきまえておられます」
という発言が「女性蔑視」「オリンピックの男女平等の精神から大きく外れている」ということで、テレビもインターネットも芸能界でも批判の嵐です
この発言部分だけを見ると、たしかに女性蔑視と受け取れるような内容に見えます
しかし、この発言の前後がバッサリ切り取られている記事がほとんどで、これだけでは本当に女性蔑視の発言だという判断ができないと思います
ということで今回は森会長の発言の全文をご紹介しながら、できるだけ客観的な視点で私の考えを書いていきたいと思います
目次
森会長はどのような発言をしたのか?
まずは関係する発言部分を全文でご紹介します
2021年2月3日 JOC臨時評議会 森喜朗会長の発言より
これはテレビがあるからやりにくいんだが、女性理事を4割というのは文科省がうるさくいうんですね。だけど女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります。
これもうちの恥を言いますが、ラグビー協会は今までの倍時間がかかる。女性がなんと10人くらいいるのか今、5人か、10人に見えた(笑いが起きる)5人います。
女性っていうのは優れているところですが競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです。
結局女性っていうのはそういう、あまり言うと新聞に悪口書かれる、俺がまた悪口言ったとなるけど、女性を必ずしも増やしていく場合は、発言の時間をある程度規制をしておかないとなかなか終わらないから困ると言っていて、誰が言ったかは言いませんけど、そんなこともあります。
私どもの組織委員会にも、女性は何人いますか、7人くらいおられますが、みんなわきまえておられます。みんな競技団体からのご出身で、国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。ですからお話もきちんとした的を射た、そういうのが集約されて非常にわれわれ役立っていますが、欠員があるとすぐ女性を選ぼうということになるわけです。
【出典:2021年2月4日付け スポニチ】
太字&アンダーラインの部分が、多くのマスコミで切り取って報道している部分です
また、翌日には自身の発言を撤回するための記者会見も行われました
かなり長いですが、冒頭部分から文字起こしをしました
報道では要約したり切り取っている記事しかないと思いますが、全容は以下のとおりです
※ 聞き取れなかった部分や補足は()で表示しています
2021年2月4日 森会長の会見内容
司会:それではお待たせいたしました。それでは森会長より一言申し上げます。よろしくお願いいたします。
森会長:昨日JOCの理事会の後で、私がご挨拶をしました。
それをお聞きの方々、そうおられると思いますので、これ以上詳細なことは申し上げません。
いま、皆さんにわざわざお集まりいただいて、大変ご心配いただいていることに恐縮をしております。
昨日のJOC評議会での発言につきましては、オリンピック・パラリンピックの精神に反する不適切な表現であったと、このように認識をいたしております。そのために、まず深く反省をしております。
そして、発言を致しました件につきましては撤回をしたい。それから、不愉快な思いをされた皆様にはお詫びを申し上げたい。以上であります。
オリンピック・パラリンピックにおきましても、男女平等が明確に謳われております。アスリートも運営スタッフも多くの女性が活躍しておりまして、大変感謝をいたしております。
私は、私どもの組織委員会のことを申し上げたわけではないことは、皆さんもご承知だと思いますので、この組織委員会については、非常に円満にうまくいっているということも注釈でも挨拶の中で申し上げたことも聞いておられたと思います。
次の大会まであと半年になりまして、関係者一同、一生懸命頑張っておられます。その中でその責任者である私が、皆さんのお仕事に支障があるようなことになってはいけないと、そう考えてお詫びをして、訂正、撤回をするということを申し上げたわけであります。
世界のアスリートを受け入れる都民、国民、それからIOC、IPCはじめとする国際的な関係者にとってもオリンピック・パラリンピック精神に基づいた大会が開催できますように、引き続き献身して努力していきたいと、こう思っております。以上です。司会:はい、それでは代表、日テレさんご質問お願いします。
日本テレビ:幹事社の日本テレビです。よろしくお願いします。
まずは今回の発言で国内外から大きな、こう批判が上がっています。会長のなかで、この辞任をしなければならないと考えたことはあったんでしょうか。
森会長:ちょっと……僕はね、その、マスクをされてるとどうも言葉がよく(聞き)取れないんで。なんと言われましたか。
日本テレビ:もう1度申し上げます。今回の発言を受けて、国内外の様々なメディアからたくさんの批判があがりました。そんななか、会長は辞任をするという考えは浮かんだんでしょうか。
森会長:辞任するという考えはありません。私は一生懸命、こう献身的にお手伝いして7年間やってきたわけですので、自分からどうしようという気持ちはありません。
皆さんが邪魔だと言われれば、まぁおっしゃるとおり、老害が粗大ごみになったのかもしれませんから。そうしたら掃いてもらえればいいんじゃないですか。
日本テレビ:もう一問させていただきます。IOCは先ほど会長もおっしゃったようにオリンピックにおける男女平等を掲げています。日本もそのジェンダーバランスを同じようにしていこうと努力されているなかでの発言だったんですけれども、大会のトップとして今後、世界、まぁ国内はじめ世界にはどんなふうに説明していきたいとお考えでしょうか。
森会長:あのー、わかりました。これ以上のことを申し上げても、また誤解が誤解を生むし、必ずしも今までここにいつも来ていた皆さんと違う方もおられて、よくわからないところもあるんですが、私は組織委員会の理事会に出たわけじゃないんですよ。JOCの理事会に評議員という……。僕は評議員だったかな立場は?
スタッフ:名誉委員です。
森会長:名誉委員という立場だったから、そこで挨拶をしたんだと。
それも、大会の前に挨拶をしてくれというのはプログラムにあったけども、私は正式なあれじゃないから。あとからお礼のつもりでご挨拶しますと言って、一番、終わってから話させてもらったという。私は自分なりに整理はしていたつもりです。
それから……まぁそういうことですよ。ですから、どうも組織委員会の理事会と一緒にしておられる方、特に外国はそれ一緒にされるかもしれないが、それは皆さんの報道の仕方だと思いますが。
あくまでもJOCの、その、理事会かな、評議員会に出て、私は挨拶をしたということです。
それは一つは、山下さん(山下泰裕JOC会長)が今度の改革は大変大きな改革で、JOCが人事の改革をされるのに大変な苦労をして、最初から理事会では相当突き上げを食ったりして、難航しておられると度々相談があったもんですから、ガンバレガンバレと言って、後押しをしてきました。
ですから、山下さんの最初の大きな仕事としては、最も成功してもらわなきゃならんところ、そこが人事のことでしたから、そのことはよくできたということを私は評価し、そして山下さんにお礼を申し上げるということを、そこで発言をしていたんです。
ですが、いわゆる政府から来ているガバナンスに対しては、あまりにその、数字のところにこだわると、なかなか運営が難しくなることもありますよという、そういう中で私の知っている理事会の話をちょっと引用して、ああいう発言になったということです。
日本テレビ:ありがとうございます
司会:はい、ありがとうございます。では冒頭、会長から明確にお示しいただきましたけれども、数問、ご質問あればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
日刊ゲンダイ:日刊ゲンダイと申します。よろしくお願いします。
いくつかお伺いしたいんですが、女性のお話が長いというご発言については、ラグビー協会の特定の女性理事を念頭に置いたものではなかったんでしょうか。
森会長:一切頭にありませんし、ラグビー協会の理事会で、誰がどういう人が理事で、誰が話したかっていうのは、私は一切知りません。
日刊ゲンダイ:わかりました。もう一点お伺いします。発言についてですね、IOCから真偽の問い合わせ等々ございましたでしょうか。
森会長:さあ、私はわかりませんが、まあ職員は毎日毎日、今日もこれから向こうのほうが朝明けると、こっちが夕方その頃からいつも……会議が始まりますから、そういう話があるのかもしれません。
日刊ゲンダイ:なるほど。森会長のほうからご説明する意志はございますでしょうか。
森会長:そんな必要はないでしょ。いまここでしたんだから。
日刊ゲンダイ:わかりました。
森会長:昨日のは(聞き取れず)出しといて、今日のは出さないっていうわけじゃないでしょ。皆さん打たれればわかるじゃないですか。
TBS:TBSのジョウジマと申します。すいません、2点お願いいたします。1点ですね、会長はずっとその……
森会長:ちょっと悪い……取ってくれ。聞こえないんだよ…。うん……しゃべるときだけでいいですから(質問者にマスクを外すよう依頼)
TBS:会長は、国民から理解を得られる大会の開催をと、ずっとおっしゃっておりました。ですが、このオリンピックの理念に反するような発言であったと昨日の発言は思いますが、ご自身がなんらかの形で責任を取らないということが、逆に開催への批判を強めてしまうものではないかと思うのですが、どうお考えでしょうか。
森会長:はい。それはご心配いただいたということであれば、ありがとうございます。しかし今あなたがおっしゃるとおりのことを最初に申しあげたじゃないですか。誤解を生んではいけないので撤回しますと申し上げた。オリンピック精神に反すると思うからと、そう申し上げた。
TBS:もう一点お願いいたします。女性登用について基本的な会長のお考えを伺いたいんですけれども、会長はそもそも多様性のある社会を求めているというわけではなくて、ただ文科省がうるさいからそういう登用の規定が定められているという、そういう認識でいらっしゃるんでしょうか。
森会長:いや、そういう認識ではありません。女性と男性しかいないんですから。もちろん両性っていうのもありますけどね。
どなたが選ばれたっていいと思いますが、あまり僕は数字にこだわって、何名までにしなきゃいけないということは、一つの標準でしょうけどね、それにあんまりこだわって無理なことはなさらんほうがいいなということを言いたかったわけです。
TBS:昨日の「文科省がうるさいから」というのは、数字が、という意味で、ということでしょうか。
森会長:うるさいからっていうのはやはり変で、そういうガバナンスが示されて、みんなそれを守るために皆、大変苦労しておられるようです。
私は今もう、どこの連盟にも……関係をしておりませんのでね。ただ、いろんな話はいろいろ入ってきますから。そんな話を総括して、会の運営は難しいですよということを山下さんに昨日申し上げたんです。
TBS:ありがとうございます。
NHK:お疲れ様です、NHKのイマイです。
森会長:よくわかっております。
NHK:はい。女性をめぐるご発言ではないんですけれども、昨日聖火リレーで愛知県で走る予定だったタレントのロンドンブーツ1号2号の田村淳さんという方が、森会長の直近のご発言で「何があってもオリンピックをやる」ということを「理解不能だ」というふうに田村さんは解釈されて、まぁそれを理由に辞退をされたということなんですけれども、それについて会長はどのように受け止められますか。
森会長:まあ、なんか、昨日のことにあわせて報道されたんでしょうが、これは昨日の会合(のこと)じゃないと思いますよ。
昨日でしょう、自民党の会合で。その時にリレーについての削減はどうなっているか質問があったから、まあ我々直接やるものじゃないが、各県がやっている実行委員会にお願いをしてて、基本的には密を避けてやってほしいと言っておるんだと。
その中で、例えば人気のあるタレントさんは、できるだけ人がたくさん集まってくるところはご遠慮していただくようになったほうがいいかなというふうに私は思っていると。
また、それを指示したとか、そういうあれを、どこから誰が走るかとか、何キロ走るかというのは、僕らが決めることじゃないんで、実行委員会が決めて作られていることですから。
県に言えることは、できるだけ密を避けてくださいと。要は、密とは何だといえば、ファンにわーっと集まってくる。ですからね、タレントさんが来ればみんな集まってくる。
そうすると密になるからそれをどう避けられるだろうか、というその話の例で、国会議員がたくさんおられますから、皆さんおわかりのように、じゃあ、何にもないところって言ってるんであれば、田んぼで走るしかないねと。
そして田んぼで走れば、やっぱり(聞き取れず)そのまま土足でみんな入ったりすれば作業前ですから、農作業に迷惑かけたりするねと。
しかし、空が空いてるから、空気がこもらないし、それしかないですねという、そういうことをいう意見もありますということを紹介しただけで、組織委員会がそういうことするといったわけでもなんでもない。
それもこれも、実行委員会でお考えをいただき、ご検討いただいて、決めていただきたいと申し上げた。その例として申し上げただけです。
NHK:著名人のランナーに決まっている方には引き続き継続して走っていただきたいというお考えは変わりないでしょうか。
森会長:私は走ってくださいとも走ってくださるなとも言う立場じゃありません。お決めいただいた方たちは所定の手続きをされて、こちらに持ってこられると思います。私は見たことありません。誰が走るか、全然、一切知りません。
NHK:ありがとうございます。
毎日放送:毎日放送のミサワと申します。お伺いいたしますが、基本的な認識なんですけれども、やはり会長は女性は話が長いというふうに思っていらっしゃるんでしょうか。
森会長:最近女性の話聞かないからあんまりわかりません。
毎日放送:今日、小池知事が会見で、話しが長いのは「人によります」というふうな発言をされておりますけれども。
森会長:私も長いほうなんです。はい。
毎日放送:会長、もう一問なんですが、国会議員のなかでもクォーター制といいますか、女性の割合をあらかじめ決めておこうというふうな話も盛り上がっておりますけれども・・・
森会長:それは民意が決めることじゃないですか。
毎日放送:会長ご自身はクオータ制に反対、賛成いかがでしょうか。
森会長:反対も賛成もありません。(聞き取れず)国民が決めることだと思います。
毎日放送:わかりました、ありがとうございます。
TBSラジオ:TBSラジオのサワダと申します、いくつか伺わせてください。
森会長:いくつかじゃなくて1つにしてください。
TBSラジオ:冒頭、「誤解を招く表現」とか、あとは「不適切だった」ということは発言があったんですが、どこがどう不適切だと会長としてはお考えになるのでしょうか。
森会長:はい。男女の区別するような発言をしたということですね。
TBSラジオ:オリンピック精神に反するという話もされてましたけれども、そういった方が組織委員会の会長をされることは適任なんでしょうか。
森会長:さぁ。あなたはどう思いますか。
TBSラジオ:私は適任じゃないと思うんですが。
森会長:それじゃあ、そういうふうに承っておきます。
TBSラジオ:それで先ほど、あと会長としての発言ではないので、責任が問われないというような趣旨のこともされていたよう……。
森会長:責任が問われないとは言ってませんよ。場所をわきまえて、ちゃんと話したつもりです、はい。
TBSラジオ:組織としての場じゃないから、あの発言は良かったということなんですか。
森会長:いや、そうじゃありませんよ。だから組織委員会とっても良かったと私は言ってんですよ。ちゃんとみんな全部見てから質問してください。昨日の。
TBSラジオ:あと「わきまえる」という表現を使われてましたけれども、女性は発言を控える立場だという認識だということですか。
森会長:そういうことでもありません。
TBSラジオ:じゃあ、なぜああいう発言になったんですか。
森会長:場所だとか 時間だとか、テーマだとか、そういうものにやっぱり合わせて話していくということが大事なんじゃないんですか。
そうしないと会議は前に進まないんじゃないですか。
TBSラジオ:それは女性と限る必要はあったんですか。
森会長:だから私も含めてって言ったじゃないですか。
TBSラジオ:あと、その前段の段階で私の恥を言いますというふうにおっしゃってましたけども……。
森会長:そういう話はもう聞きたくない。
司会:冒頭、発言の内容に関しては明示的に会長から説明があったというふうに……。
森会長:面白おかしくしたいから聞いてるんだろ?
TBSラジオ:何を問題と思っているかを聞きたいから聞いているんです。
森会長:だからさっきから話しているとおりです。
ハフポスト:ハフポストのハマダと申します。先ほど「女性が多いと時間が長くなる」という発言を誤解と表現したと思うんですけども、これは誤った認識だということではないんでしょうか。
森会長:そういう風に聞いておるんです。去年からですね、一連のこのガバナンスに基づいて各協会や連盟は人事に非常に皆さん苦労しておられたようです。
私は昔は全体を統括する会長、今のスポーツ協会の会長をしておりましたから、その団体の皆さんとも親しくしております。そういう皆さんたちはいろいろ相談にも来られます。その時に、やっぱりなかなか大変なんです、ということでした。
率直に山下さんのときは、JOCの理事会の理事をかなり削って女性の枠を増やさなきゃといけないということで大変苦労したという話をしておられて、理事の中でも反対があったり大変だったのを、なんとかここまでこぎ着けましたという苦労話を聞いたからです。
ハフポスト:そうすると、各競技団体から「女性が多いと会が長い」という話があがってると、そういう話を聞いたという、そういうことなんでしょうか。
森会長:まあ、そういう話はよく聞きます。
ハフポスト:それはたとえばどういう競技団体ですか。
森会長:それは言えませんね。
ハフポスト:実際にそういう例えばデータがあるとか、そういう根拠に基づいた発言ではなかったというふうに受け止められたんですけれども、それについてはいかがですか。
森会長:なんて言ったんですか、いま。
ハフポスト:女性が多いと会が長くなるっていうのは、例えばデータに基づいたりとか、その根拠のある発言とは思えないんですけれども、その点はいかがでしょうか。
森会長:さあ、僕はそういうことを言う人がどういう根拠でおっしゃったかはわかりませんけども。
まあ、自分たちが、要するに理事をたくさん選んだけど結果としていろんなことがあったという、そんな話を私が聞いたことを思い出して言っているんで、昨日山下さんにそういうことで苦労、これからされますよということを申し上げたんですよ。
ハフポスト:今回の発言で皆さん怒ってるんですね。五輪を運営するトップの方がこういう女性を尊重しない、そういった発言をしていることに怒ってます。
で、森さんの五輪を見たくないという声もネットだったりあがってます。そういう声をどういうふうに受け止めるますか。
森会長:いやだから、謙虚に受け止めております。だから、撤回をさせていただきますと言っているんです。
司会:はい、すいません。発言に関してはもうすでに冒頭、会長から申し上げたとおりとなります。以上で記者会見のほうを終了とさせていただきます。ありがとうございました。
多くのニュースやワイドショーでは発言がバッサリ切り取られていますが、全体を通して見てみるとまた違った印象を受けるのではないでしょうか
ちなみに「女性理事を4割」というのは、2003年に政府が掲げた「2030」目標を達成するため、所管する文部科学省からJOCなどへの要求内容です
「2030」とは?
国連で掲げているSDGs(持続可能な開発目標)の1つとなっている「ジェンダー平等」が日本では遅れているとされているため、2003年に政府が「2020年までに指導的地位の女性比率を30%に」と掲げた目標のこと(未達成のため先送りされている)
森会長の発言は本当に女性蔑視なのか?
国内外の世論は完全に「女性蔑視の発言だ!」として森会長に対して集中砲火を浴びせています
私は普段からテレビの情報を完全にシャットアウトしていますが、この記事を書く前に少しだけテレビを見てみると、マスコミの切り取り報道による煽りが酷いこと酷いこと…
森さんに対しては首相時代から失言が多くてイメージの悪い人でしたが、今回の発言内容の全体を見て率直に感じたのは「墓穴を掘るような失言だったが、少なくとも女性蔑視をするような趣旨ではなかった」というのを感じました
今ならこういう発言をした瞬間にフルボッコにされるのでしょうが、あえて世論を無視して自分なりに考えた理由を書いていきます
理由① 会議が長くなる=悪いこと?
そもそも「女性=話が長い」とは言っていない
→ 日刊ゲンダイ、毎日放送の記者は勘違いをしている
「女性がたくさん入っている理事会、理事会は時間がかかります」
【私の考え】
主観もしくは経験談だと思うので肯定も否定もできない
「女性っていうのは優れているところですが競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです。」
【私の考え】
科学的な根拠が見当たらないので森会長or森会長に話をした人の主観だと思われるが、女性は男性よりも競争意識に優れていて発言が活発だと言っていることからも、少なくとも女性蔑視を意図した発言とは思えない
「女性を必ずしも増やしていく場合は、発言の時間をある程度規制をしておかないとなかなか終わらないから困ると言っていて、誰が言ったかは言いませんけど、そんなこともあります
【私の考え】
女性に限った話ではないと思うが、もし女性理事が増えて今まで以上に意見が活発に交わされるようになったときは、さすがに時間を決めないと会議が終わらなくなり、困ったことになってしまうというニュアンスを伝えたかったのではないかと思う
以上のように発言全体を見てみると、「女性」と決めつけるのは根拠に乏しい失言だったと思いますが、少なくとも女性蔑視の意図で発言したものではないように感じました
この発言を「女性蔑視」と受け取った人は、おそらく
① 時間のかかる会議=良くない
② 女性が入る=時間のかかる会議になる
③ 女性が入る=良くない → 女性蔑視
というパターンで導き出された考えではないかなと思います
ですが、会議を経験された方ならイメージできると思いますが、「時間のかかる会議=悪い会議」とは限らないはずです
中身がスカスカな短時間で終わる会議よりも、活発に意見交換される時間の長い会議のほうが有意義なはずです
もちろん、会議には時間的な制約もありますので、ある程度の線引きをしなければならないですが、森会長はそのことも考えて発言したのだと思いました
理由② 「わきまえておられる」という発言は称賛の意味
「わきまえる」とは?
・物事の違いを見分ける。弁別する。区別する。
・物事の道理をよく知っている。心得ている。
・つぐなう。弁償する。
【出典:goo辞書】
「私どもの組織委にも女性は何人いますか。7人くらいおられるが、みんなわきまえておられます。」
「みんな競技団体からのご出身で、国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。」
「ですからお話もきちんとした的を射た、そういうのが集約されて非常にわれわれ役立っていますが、欠員があるとすぐ女性を選ぼうということになるわけです。」
【私の考え】
前段からの流れだけを見ると「組織委の女性理事は「発言を控える」といった立場をわきまえている」というふうにも読み取れますが、この「わきまえる」という意味は後段の発言にかかっていると考えられ、意味としては「7人くらいの役員の女性は、みんな大きな場数を踏んで経験などもわきまえられており、発言も的を射ているものばかりだった」「だから欠員が生じた際には、男性よりも女性を選ぼうというふうになる」という、女性に対する称賛の表現として使った言葉ではないでしょうか
私の読解力がないだけかもしれませんが、どこからどう読んでも女性理事に対して称賛している発言にしか読み取れません
男女の区別をして発言していることには問題があるかもしれませんが、これのどこが「女性蔑視」だというのでしょうか
おそらく「わきまえる=慎ましく控える」というようなイメージが先行し、そこにマスコミの切り取り報道がプラスされた結果、女性蔑視だということになったのではないでしょうか
以上の理由から、墓穴を掘るような失言ではあったにせよ、少なくとも女性蔑視を意図した発言ではないものと感じました
おわりに
今回書いた考えは、マスコミの切り取り報道や世論を見ず、発言内容の全文だけを見ながら考えた個人的な見解です
令和時代の日本において、根拠に乏しい女性蔑視と受け取られかねない発言は容認されるものではありませんし、批判されても致し方ないことです
しかし、マスコミやインターネット、そして普段は政治や時事ネタのコメントをしないような著名人まで出てきて「森会長」という1人の人間に対して集団リンチともいえるような集中砲火を浴びせています
記者会見においても、後半の質問で出てきた一部の記者は、あえて森会長の怒りを誘うような挑発的な口調と質問内容で、文字起こしをしていて気分が悪くなりました
また、ネット上のどこを見ても寛容さを感じるコメントは皆無に等しく、徹底的に何が何でも森会長を潰してやろうという、ある意味狂気の渦にも似た感じを受けました
森会長へ集中攻撃をしている多くの人たちの中で、発言内容の全文を自分で見て自分で善悪を考えている人は、はたしてどれくらいいるでしょうか
物事を自分で考えることなく、マスコミや世論に流されているだけなのだとしたら、人間として終わっていると思います
また、各マスコミが発言内容の全体を報道し、それに対する考えを国民へ委ねていたとしたら、ここまで炎上することもなかったのではないでしょうか
ちなみに海外の反応については、国内のマスコミからの情報を参考にしていると思いますので、国民にとってはまったく参考にならないと思います
この記事が少しでもあなたの考え方のお役に立てば幸いです
さいごに、今回の一件をきっかけに
「森会長が続投なら、東京オリンピックは中止すべきだ」
「ボランティアに申し込んでいたけど、あんな会長の下では働きたくない」
とお考えなのでしたら、少なくともそれは違うと思います
オリンピックは森会長のために開催するのですか?違いますよね
オリンピックは各国の選手が輝きを放つための場所です
どのような形で開催されるかはわかりませんが、選手たちは1年延期という苦難を乗り越えながら必死に調整をしているはずです
それではまた