前回のブログで自動車保険を更新した時の話を書きましたが、今回は自動車保険の中でも特に判断に迷ってしまう「車両保険はつけたほうがいいの?」というギモンについて考えていきます
最初にお伝えしておくと、私は「車両保険は必要ない」という考えです
私は保険屋じゃないし専門家でもないですが
「車両保険フル装備」→「やっぱり必要ない」
という結論に至るまでに学んだことをご紹介しますので、もし車両保険の加入で迷っているのでしたらぜひご覧ください
目次
1番伝えたいこと
Googleなどで「車両保険 必要 不要」などと検索すると、最初のほうにたくさんの保険会社のホームページや専門家のブログが出てきて
「○○の場合は必要」
「△△なら不要」
「□□なら人による」
などの説明がいろいろ書いてあると思います
そして、最終的には「加入しておいたほうが安心ですよ」というような流れで終わり、見た後に
と思わせるような内容となっているはずです
そこで最初に強くお伝えしたいのは
「保険会社や専門家などの言っていることを真に受けないでください、絶対に!」
ということです
といっても、彼らがウソを言っているわけではありません
客観的な視点でメリット&デメリットの説明をしているのもたくさんあり、その内容も間違ってはいないはずです
ですが少しだけ冷静に考えてみてください
保険会社や保険の専門家などと称している人の説明は、それを見たり聞いた人が最終的に車両保険に加入したくなるように構成されているはずです
たとえ客観的な感じでデメリットの説明があったとしても、最終的にメリットのほうが大きいような話の展開にしたりします
彼らは1人でも多く車両保険に入ってもらいたいのですから、「入る必要なんてない」という結論にはしないはずです
他にも
というPRはよく見かけると思います
こういったPRを見ると
って考えちゃったりしませんか?
保険会社の狙いはまさにそこです!
これは日本人に多い「協調性(右へならえ)」の気質を利用した販売戦略です
そうやって加入者が増えてくれば、さらに「8割」「9割が加入」と宣伝できるようになり、より強力なPRとなります
その他の内容でも、見た人の無意識な部分に訴えかけるような話の構成にしたりしています
保険会社は市場調査などのマーケティングのプロでもあるので、彼らが言っていることを真に受けてしまうと、知らず知らずのうちに彼らの目的地に誘導されてしまいます
「保険の専門家」などと称する人も同様です
本当に客観的な目で説明している専門家もいるでしょうが、中には保険会社から頼まれて偏った説明をしている専門家もたくさんいます
ネットでも保険代理店でもそうですが、彼らの話を見たり聞いたりするときは「話半分くらい」で頭に入れておき、本当に「車両保険」が必要なのかを自分で考えてから決めるようにしてください
決して「専門家の○○さんが入るべきと言ってたから」とか「付き合いの長いディーラーの○○さんに勧められたから」といったように判断理由を他人の意見に委ねることだけは絶対に避けましょう
以上が、私が保険を見直す際に膨大な数のホームページを見たり、マーケティングの基礎を勉強した経験に基づく話です
実はこれが1番お伝えしたい話だったのですが、これではタイトルとぜんぜん違う内容なので、次に私が考えた「車両保険が必要ない理由」をご紹介します
車両保険が必要ない3つの理由
他のホームページやブログではメリットやデメリットを長々と書いてあると思いますが、このブログでは単刀直入に書いていきます
そのため、説明が足りない部分があると思いますがご了承ください
① 保険料がバカ高い
② 保険を使ったときのペナルティが大きすぎる
③ 免責金額(自己負担額)がある
理由① 保険料がバカ高い
車両保険をつけると保険料が格段に高くなります
私のケースに当てはめると

[契約条件など]
保険期間 | 2020年11月~2021年11月 |
等級 | ノンフリート20等級 |
前年事故 | なし |
年齢条件 | 30歳以上 |
免許証の色 | ブルー |
用途 | 日常・レジャー |
年間走行距離 | 5000~10000km |
これは先日契約した「イーデザイン損保」の見積もり結果ですが、プランA(車両保険なし)とプランB(車両保険あり)を比較すると「車両保険なし」の2倍以上となります
プランC(プランB+全損時諸費用特約+個人賠償特約)にいたっては約30,000円もの差です
私の場合は通勤用でもなく走行距離が少ないのでこの程度の差ですが、これが通勤に使っていたり走行距離が多いと差額がさらに大きくなります
たしかに盗難や自損事故などで補償されるのはありがたいかもしれませんが、さすがにこれは高すぎると思いませんか?
仮に3年間を無事故で過ごしたら、ドアやバンパーの軽い修理ができるくらいの金額となります
事故を起こさなければ、その分を貯蓄したり他のことに使うこともできます
「安心料」として割り切って加入する考え方もあると思いますが、私は明らかに費用対効果が低いと考えて加入しませんでした
理由② 保険を使ったときのペナルティが大きすぎる
「保険を利用すると翌年から等級が3つ下がる」というのは有名な話だと思いますが、単純に3等級下がるだけではありません

【出典:ソニー損保】
この表はソニー損保における等級別の割引率ですが、ご覧のように自動車保険の等級は「無事故」の等級と「事故あり」の等級が存在します
例えば、「無事故で20等級」の契約者が事故などで保険を使った場合、翌年は「事故ありの17等級」まで降格します
17等級の「無事故」と「事故あり」の割引率を比べてみると、ぜんぜん違うことがわかります
つまり、割引率が「無事故20等級(63%割引)」から「事故あり17等級(38%割引)」まで一気にダウンします
20等級から考えると保険料が25%も増えます
その後、無事故なら翌年から1等級ずつ上がっていきますが、3年間は「事故あり」の等級区分にされてしまうので、「無事故」よりも割引率が圧倒的に低くなります

【出典:イーデザイン損保】
このように、3年間は割引率が低い等級に縛りつけられることになります
1万歩譲って「1年間」だけならともかく、「3年間」も割引率の低い等級にされるなんて冗談ではないと思いませんか?
保険会社によっては1等級だけダウンする事故もあります
【1等級ダウン事故の例】
・ 火災や爆発
・ 盗難
・ 落書き、飛び石による窓ガラスの破損
・ 落下物の衝突
・ 災害(台風、竜巻、洪水など)
1等級ダウンの場合は、翌年1年間のみ「事故あり」の等級となります
よく聞く話で
車両保険を使うときは「修理費用」と「ランクダウンによる保険料の増加分」を天秤にかけなければならない
というのがありますが、まさにそのとおりです
「万が一の事故が起きた時に助けてくれる」のが保険なのに、「万が一が起きた時に使うかどうかを迷う」保険なんて、そのようなバカくさい保険は車両保険くらいだと思います
たしかに補償は手厚いかもしれませんが、「バカ高い保険料」&「使った後のペナルティ」を考えると、とても割に合わない保険だと考えました
理由③ 免責金額(自己負担額)がある
車両保険には「免責金額(自己負担額)」というものが設定されている場合が多いです
免責金額(自己負担額)というのは、保険を使う際に「契約者が負担しなければならない費用」のことです
ということは、この「免責金額」を設定していると、保険を利用したとしても「自己負担額」が発生します
例えば「免責金額:5万円」に設定している場合で車の修理費用が「10万円」だったとすると、まず契約者が5万円を負担し、残りの5万円が保険金となります
つまり「修理費用」が「免責金額」を超えない限り、保険金をもらうことができません
中には「免責金額0円」の保険もありますが、もちろん保険料もバカ高くなります
理由 番外編 安全運転への意識が弱くなる
これは私が感じたことなので、軽く読み飛ばしてもらってもOKです
車両保険を外した結果、安全運転に対する意識が明らかに変わりました
車両保険がついていたときには、頭の片隅に
という安心感があったので、運転中に気を抜く場面があったと思います
ですが、車両保険を外してからは
という、よい意味でのプレッシャーを感じるようになったので、明らかに安全運転への意識が強くなりました
と言われたらそれまでですが、自動車という凶器になり得るものを動かす以上、ある程度の緊張感は必要だと思います
おわりに
保険会社のホームページなどに限らず、TVや広告などでも車両保険の手厚い補償内容がたくさん宣伝されていますが、その裏では補償に応じた高い費用が必ず発生します
現状ではそれを「安心料」として支払っているのが多数派で、私のように否定しているのは少数派です
「交通事故が起きるか起きないか」「保険に入って最終的に得するか損するか」というのは誰にもわからないので、正解はありません
ですが1つだけハッキリしているのは
「万が一のことが起きた時に生活が破綻しないために入っておくもの」
保険というのはということです
万が一のことがあって自分が死亡した後に家族が路頭に迷わないために、掛け捨ての「生命保険」があります
家を火災で失った後に生活が破綻させないために「火災保険」があります
車を運転していて人身事故や高価な物を破壊してしまい、その賠償金で破産しないために「自動車保険(対人、対物)」があります
車両保険もそれと同じで
車の修理費や代わりの車を購入することになったら生活が破綻するのかしないのか
というのが判断材料の1つになると思います
もし「万が一のことが起きた時に少しでも得をしたい」と考えて保険に入るとしたら、それは保険会社の思うつぼです
保険会社を悪く言うつもりはありませんが
「保険会社のおすすめ保険」
消費者が得する保険
保険会社が儲かる保険
です
営利企業なのですから当然です
決してボランティア団体ではないので、綿密なマーケティングをしながら利益が上がりそうな保険商品を日々企画し、私たち消費者へ猛プッシュしてきます
それに対して私たち消費者ができることは
保険会社などの言うことを真に受けて契約するのではなく
その保険が本当に必要なのかをよくよく考えて判断する必要があります
判断理由を他人の意見に委ねてしまうと、高い確率で搾取されます
今回お伝えした話は世間の常識からみれば非常識な考え方かもしれませんが
「世間の常識=正しい考え」とは限らないはずです
最終的にそれを判断するのはあなたですが、このブログが少しでも判断のお役に立てば幸いです
【おまけ】
もし保険を見直すのでしたら「ネットの一括見積もり」がとても便利です
先日、自動車保険を見直す際にインズウェブという一括見積もりサイトを使って保険料を比較してみた結果、約5,000円くらい安くなりました
詳しくは前回のブログで紹介しているので、興味があったらご覧ください
